候補としては鈴木か柳田を挙げたい。

　オーソドックスに大谷・2番の打線は1番に塩見を起用して3番・鈴木、4番・村上という並びになる。もちろん1番・塩見も決して悪くない。ただ塩見の場合は、どちらかといえば“決める”タイプではなく、お膳立てをするタイプで、長打力ももう少し欲しいところだ。

　ならば1案としては1番の塩見はそのままに鈴木を大谷の前の2番に置いて3番・大谷、4番・村上と並べる。あるいはもう1案としては2番に柳田を使って3番・大谷、4番・村上から5番に鈴木と大谷の後ろをより厚くするオーダーも考えられる。

　1番の塩見を外して柳田から大谷、鈴木、村上という選択もあるが、柳田の脚力が少し落ちてきているのが1番としては気になるところだろう。ただ勝負どころでは周東を代走で使えばいいだろう。

　いずれにしても大谷を生かすためにカギを握るのは鈴木と柳田であり、特に柳田の状態が気になるところだ。

「選ばれたら、ですね。でも（選ばれることは）ないでしょう。ないと思いますよ」

　11月末のイベントに出席した際に柳田はWBCについてこう控えめに話したが、その一方で「あとはコンディション次第ですね。なかなか経験できないものなのでチャンスがあれば」と出場に意欲も見せている。

　動くボールに対する対応力も高く、オリックスとのクライマックスシリーズで見せたここ一番での集中力の高さや勝負強さを考えると、本人の語る通りコンディションさえ整えば、その存在感はまだまだ日本代表チームには必要な選手のはずだ。

WBC侍ジャパンの最強オーダーA案・B案を組んでみた

　以上の点を考慮したオーダーを組んでみると…

【A案】
1番（中）塩見
2番（左）柳田
3番（指）大谷
4番（三）村上
5番（右）鈴木
6番（二）牧（山田）
7番（一）浅村（岡本）
8番（遊）坂本（源田）
9番（捕）甲斐（中村）

【B案】
1番（左）柳田
2番（指）大谷
3番（右）鈴木
4番（三）村上
5番（一）浅村
6番（二）牧
7番（捕）森
8番（中）塩見（※近藤）
9番（遊）源田（坂本）
※8番に近藤が入る場合はポジションは左翼で柳田が中堅に回る。

　もしヌートバーらが参加となれば、「1番」での起用が有力となって塩見、柳田と入れ替わることになるし、これだけのメンバーが揃うのだから、まだまだオプションはある。最終的にはそれぞれのコンディションが、打線の編成の決め手になるはずである。

　いずれにしても大谷と鈴木の参戦で、大リーガーが青木宣親外野手だけだった前回大会に比べても、日本代表の得点力が大きくアップするチャンスが広がっていることは確かなところだ。逆に言えばこの2人を生かし切らない手はない。どう生かして打線を構成していくか。2人のメジャーリーガーを点ではなく線で繋げていくチーム戦略が、求められることになるのだろう。

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