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プロ野球亭日乗BACK NUMBER
WBC侍ジャパン最強の打線オーダーを考えてみた! キーマンは大谷翔平を生かす打者…鈴木誠也&柳田悠岐、4番・村上宗隆は確定か?
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNanae Suzuki / Getty Images
posted2022/12/20 18:06
WBCに参戦を表明しているエンゼルスの大谷翔平(左)とカブスの鈴木誠也(右)
【ポイント1:捕手と遊撃手】
ポイントの1つは捕手と遊撃手だ。
いくら得点力アップが課題と言っても、日本の持ち味は投手力であることは言うまでもない。その投手力を支えるために捕手は打力より守備力を優先して考えたい。11月の強化試合などをみる限り、現時点で正捕手候補の一番手は森になる。打力は3人の中で一番。リード面の評価は分かれるが、キャッチングに少し難があるところが気にかかる。しかも代表では慣れているチームの投手ではなく、他チームの投手の球を受けなければならない。しかも大谷やダルビッシュのツーシームやスライダーは規格外の曲がりだ。
だとすればキャッチングもしっかりしていて肩もあり、リード面でも国際試合の経験豊富な甲斐を一番手に、バランス型の中村と併用した方が投手陣も安心して投げ込めるのではないだろうか。
ただそこで問題は得点力になる。
もし甲斐を使えば9番に入るが、そこで遊撃手に源田だと8番、9番が少し弱くなる感は否めないのだ。ならば捕手が甲斐ならば遊撃手には坂本という選択肢があってもいい。
22年シーズンは故障に悩み、レギュラー定着以来、最低の成績に終わった坂本だったが、身体に問題がなくフレッシュな状態ならば、3拍子揃ったトップクラスの選手だ。何より東京五輪を含めて国際大会での経験も豊富で、女性スキャンダルで色々と言われてはいるが、選手間ではやはり一目置かれる存在であることも間違いない。坂本が7番か8番に入ることで、打線的にはクリーンアップの後の2次攻撃に幅が出る。
投手優先で捕手を甲斐に決めればショートは坂本で、逆に森の打力を生かして内野の守備力を上げたければ源田とのセットでの起用というのが基本線ではないだろうか。
【ポイント2:大谷を最大限に生かす打線とは?】
2つ目のポイントは大谷を最大限に生かす打線の編成は何かということだ。
大谷の参戦が決まった直後から、2番での起用案が評論家の予想オーダー等でも多く見られている。2番起用のメリットは打席が多く回り、1番に出塁率の高い打者を置けば、長打での得点効率も上がることにある。
ただそこでもう1つ考えて欲しいことがあるのだ。それは相手チームが日本の打線を見て、誰を1番にマークしてくるのかということだ。
答えはもちろん大谷になる。
だとすれば大谷の後ろを打つ打者も大事だが、前を打つ打者がもっと大事になってくる。後ろに最もマークする強力な打者がいれば、相手バッテリーはその前に走者をためたくない。もし走者のいる場面でそういうシチュエーションになれば、多少のムリをしてでも前の打者との勝負機会が圧倒的に多くなるはずだ。そこでその打者が決められるか。大谷の前には長打力があって、“決める”力のある打者を置くこと。それが大谷を生かす打線のポイントになるはずなのだ。