Jをめぐる冒険BACK NUMBER
「スペインが嫌がる秘策2つ」を仕掛けろ! 鎌田大地が知る「バルサ粉砕3バック」、もう1つのヒントは田中碧の言葉「1枚残さずに」
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byTakuya Sugiyama/JMPA
posted2022/12/01 11:02
ドイツ戦後半の鮮烈な戦いをもう一度。スペイン戦は秘策をぶつけて臨みたい
W杯の組分けが決まったのは4月1日のこと。それ以降、テクニカル担当がスペインの試合を入念に分析し、丸裸にしてきたという自信があるのだろう。
全体練習に復帰した冨安が先発起用可能なら…
さらに森保監督は、メンバーに関してこんなふうに言及した。
「この試合のベストということで選手を起用したいと思いますし、3戦連続して出る選手もいるかなと思います。そこは今のチームのコンディションと相手との噛み合わせのなかで決めていきたいと思っています」
だとすれば、GK権田修一、DF吉田麻也、DF板倉滉、DF長友佑都の3試合連続スタメンの可能性は低くない。
また、前述したようにバルサ撃破の経験を持つ鎌田の連続起用があってもおかしくない。
右ひざを痛めた遠藤航はコスタリカ戦翌日から結局、最後までトレーニングに参加しなかった。遠藤の欠場は決定的で、田中碧と守田英正の元川崎フロンターレコンビに中盤の底を託すことになる。
一方で、右太もも裏の違和感で別メニュー調整が続いていた冨安健洋が29日、全体練習に合流した。その事実がすなわち、スペイン戦のスタメンを決定づけるものではないが、もし先発起用が可能ならこれほど心強いことはない。
すでにお気づきかもしれないが、スペイン戦のスタートは3バックを予想している……いや、推奨したい。
3バックは右から板倉、吉田、冨安。右ウイングバックには伊東純也、左ウイングバックには長友。右シャドーには久保建英、左シャドーには鎌田、1トップには前田大然という陣容だ。
前からのプレス、守備ブロック構築の両方に対応
今の日本代表にとって3-4-2-1はオプションではなく、もはや主戦システムとなっている。バルセロナを打ちのめしたフランクフルトも、3-4-2-1がベースの可変システムで戦っている。
鎌田は間違いなくミーティングやディスカッションの場で、経験者としてのアイデアを披露しているだろう。そして何より森保監督自身が、フランクフルト対バルサの第1戦を現地で視察している。
フランクフルトのメカニズムはこうだ。
3-4-2-1をベースとした5-2-3のような形から積極的に前方へとプレスをかけ、パスワークを遮断したり、ボールをサイドへ誘導してボールホルダーを激しく潰す。
日本に置き換えれば、1トップの前田がピボーテのコケ(もしくはロドリ)を監視し、シャドーの久保と鎌田がインテリオールのペドリとC・ソレールへのパスコースを切りながら、センターバックにサイドへとパスを出させるイメージか。