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名言「ふなきぃ~」24年前・伝説のジャンプ団体金メダル…あの「白馬村」には今、何がある? 現地で驚いた「帰りの『特急あずさ』が満員だった話」

posted2022/02/19 17:03

 
名言「ふなきぃ~」24年前・伝説のジャンプ団体金メダル…あの「白馬村」には今、何がある? 現地で驚いた「帰りの『特急あずさ』が満員だった話」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

98年長野五輪、スキージャンプ団体優勝メンバー。フラワーセレモニーで観客に手を振る日本チーム。左から船木和喜、原田雅彦、岡部孝信、斎藤浩哉(長野県白馬村)

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鼠入昌史

鼠入昌史Masashi Soiri

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JIJI PRESS

 宴もたけなわ、北京五輪。いろいろ問題もあったが、日本人選手が活躍すればうれしいし、何よりテレビをつけると連日オリンピックをやっているというのはにぎにぎしくて楽しいものだ。

 日本人にとっての冬季五輪というと、やっぱり1998年の長野オリンピックではないだろうか。伊藤みどりが聖火最終ランナーだったり、閉会式では欽ちゃんが登場したり、スキーの滑降ではヘルマン・マイヤーが大転倒したり、とにかく思い出はいっぱいだ。

 日本人選手も大活躍で、金メダルは実に5つ。金銀銅あわせると10個のメダルを獲得した。人それぞれ、印象に残っている場面はあるだろう。その中でも何かひとつ、といわれれば、スキージャンプ団体の金メダル。原田である。船木である。「ふなきぃ~」である。リレハンメルオリンピックからのドラマがあり、長野オリンピックで盛り上がりが最高潮に達したのが、スキージャンプ団体の金メダルであったといっていい。

 その感動の金メダルの舞台になったのが、長野県は白馬村。山の裾野にある白馬ジャンプ競技場であった。白馬村というのは、長野県でも長野市の中心からは離れていて、県西部の北の端っこ。ほんの少し北に行ったらもう新潟県に突入し、さらにジャンプ競技場の背後の飛騨山脈を越えると富山県黒部市という、そんな場所にある。

 そんな場所だったらたいそう山奥で、どうやって行けばいいんですか、電車なんて通ってませんよね……などと思う人もいるかもしれないが、日本はスゴい。ちゃんと電車が通じている。それも、東京都心から特急列車に乗れば着いてしまうという、意外なまでの利便性の高さを誇るのだ。

 通っているのはJR大糸線。新宿駅から中央本線・篠ノ井線を経て松本駅から大糸線に入り、立山黒部アルペンルートの長野側玄関口である信濃大町などを経て、白馬駅に着く。松本からの所要時間は特急でざっと1時間。新宿からだと8時ちょうどのあずさ5号に乗って3時間40分ほどかかる。ずいぶん遠いじゃないのとも感じるが、新宿から特急が通っているだけでもありがたい。白馬駅まで向かう特急は、「あずさ」が1日1往復である。

 特急列車まで通っている白馬とは、どんなところなのか。白い馬と書いて白馬という、その町の名前もなんだか神秘的だ。そして新潟や富山とも近い雪の国。あの伝説のスキージャンプの舞台になった白馬に行ってみることにした。

【次ページ】 「白馬村」には今、何がある?

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