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アジア勢初のメダル獲得なるか? スキークロス須貝龍(30)が明かした“アルペンから転向の裏側”と北京への手応え

posted2022/02/18 06:00

 
アジア勢初のメダル獲得なるか? スキークロス須貝龍(30)が明かした“アルペンから転向の裏側”と北京への手応え<Number Web> photograph by KYODO

'10年バンクーバー大会から五輪種目となったスキークロス。須貝は持ち味のパワーを武器にメダル獲得を目指す

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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 フリースタイルスキー・スキークロスの須貝龍(クレブ)が自身初の大舞台となる北京五輪出場を決めた。'18年夏にアルペンスキーからの転向を決意し、まだ3年半。大会に出るたびに成長を遂げている30歳は、「五輪はサポートしてくださった方への恩返しを成績で示せる一番の大会」と意気込んでいる。

 スキークロスはウェーブ、キッカー(ジャンプ台)、急カーブなどがあるコースを4人が同時に滑り、着順で成績が決まる競技だ。コース取りの駆け引きをしながらの高速滑走は迫力満点。一瞬にして順位が入れ替わったり、ほんの少しでもバランスを崩したりすると激しいクラッシュが起きるなど、非常にスリリングでもある。「見ている人も滑っている選手もその時点での順位が一目で分かるところが魅力」と須貝は言う。

 アルペン時代は花形種目である滑降(ダウンヒル)を中心に、アルペン5種目中3種目で日本ランキング1位という際だった成績を残してきた。ダウンヒル、スーパー大回転、アルペン複合のW杯に唯一の日本人として参戦。しかし、日本ではトップでも世界の壁は厚く、目指していた平昌五輪の出場には手が届かなかった。

目標は「アジア勢初のメダル」

 こうして決意したのがスキークロスへの転向だ。須貝の順応性は素晴らしく、転向1年目の'18-'19シーズンにW杯デビュー。翌'19-'20シーズンは5位入賞など飛躍的に成績を伸ばし、3シーズン目の昨年3月13日のW杯ロシア大会では2位になり、この種目が五輪に初採用された'09-'10シーズン以降で日本人初の表彰台に上がった。

 今季も着実に地力をつけており、昨年11月に北京五輪テスト大会を兼ねて中国の張家口で開催されたW杯開幕戦で7位入賞。「同じスキーなので、ベースの部分、特にターンにおいては変わらない。ジャンプやウェーブもダウンヒルと共通している」と手応えを感じている。

「スキークロスで早く滑るための要素は、経験とパワーと身長の3つ。僕は経験は少なく、身長はもう伸ばせないので、パワーに重点を置いて取り組んできた。アルペン時代と比べると今は6、7kgくらい体重を増やしています」と力強い。

 北京五輪でのターゲットはこの種目でアジア勢初となるメダルを獲得すること。歩みを止めない30歳が歴史を塗り替えようとしている。

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