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日本人がやりがちな「根性練習」「長時間練習」の大問題…バスケとラグビーで日本代表を勝たせた外国人“鬼コーチ”が語る 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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photograph byAFLO/Getty Images

posted2021/10/24 17:02

日本人がやりがちな「根性練習」「長時間練習」の大問題…バスケとラグビーで日本代表を勝たせた外国人“鬼コーチ”が語る<Number Web> photograph by AFLO/Getty Images

東京五輪で女子バスケを銀メダルに導いたトム・ホーバス氏(左)。2015年W杯、ラグビー日本代表を率いて3勝を収めたエディー・ジョーンズ氏。2人の対談が実現した

 エディーさんも2015年のW杯では、ボールポゼッション、キックの割合などによって、理想の戦い方を追求していた。

 エディーさんは日本にはびこる「根性練習」の問題点を、集中力の低下にあると喝破していた。

 トムさんは、選手たちが長時間練習を厭わないことを不満に思っていた。

「漫然と練習していても意味がないからです」

 ふたりは強化のプロセスの中で、長時間練習に耐えられるのが日本人の強みと認め、休憩を効果的に取りながら、課題を明確にする練習プランを作り、実行した。

 1990年代中盤以降に生まれたジェネレーションZ。エディーさんは、彼らにはすべてを教えるよりも、選手自らが学び取るコーチングの方が効果的と見ている。

 また、トムさんは日本の若い世代の選手たちが、上の世代とはまた違ったメンタリティを持っていると考えているようだった。

ふたりとも日本人女性と結婚

 ふたりは初対面でありながら、意気投合した。特に、日本人をコーチングする喜びについて多くを語り合っていた。

 エディーさんは日系米国人の母を持ち、日本の大学、社会人チームを指導した経歴を持つ。

 トムさんは現役時代、トヨタ自動車などでプレーしながら、トヨタの国際マーケティング部門でも働き、そこで日本の製造業の強さを垣間見た。

 そしてふたりは日本人女性と結婚し、日本文化を理解する機会が多かったことも認めている。

 21世紀に入って、世界で勝つのは難しいと思われていた競技で結果を残した“名将”の言葉には、様々なヒントがあると思う。ぜひともふたりの熱を、雑誌の行間から感じ取ってもらえたらと思う。

 最後に、対談の時に印象的だったことを記してみたい。

 PC上の映像を見ていたら、エディーさんはトムさんの発言を熱心にメモしていた。いかにも勉強家のエディーさんらしいなと思った。きっと、またイングランドの選手たちにコーチングするヒントにするのだろう。

 トムさんは「ふたりは似ていますね」と言われると、「どこが? 髪の毛かな?」と茶目っ気たっぷりだった。トムさんの新しい職場は、男子日本代表。

「彼には男子の指導経験がないじゃないか、という声が耳に入ってくるけど、ぜんぜん気にしてないよ。私は次の仕事に自信があります。バスケットボールはバスケットボールで変わらないし、コーチングは人間と信頼関係を築く仕事で、それも変わらないでしょ?」

 本質を知るふたりは、東京で“リアル”に話すことを約束していた。

 いい対談だった。

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