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高校生も帰宅部(約20%)が増えている…現役教師のため息「運動部を減らしたいのにOBOGの反発がすごくて…」
posted2021/05/31 17:06
text by
沼澤典史Norifumi Numazawa
photograph by
Getty Images
高校生でも帰宅部(約20%)が増加中
中学と比べ、高校の部活は甲子園などを始め、規模も注目度もケタ違いだ。大学スポーツと比べても、メディアでの扱いやファンの多さで引けを取らない。
しかし、帰宅部が増加しているのは高校も同様である。高校2年生に対する調査では「部活に無所属」と回答した生徒は平成26年度は19.0%、平成28年度は20.3%と増加している(国立青少年教育振興機構調査)。直近の調査はないが、中学同様に増加傾向にあると考えていいだろう。
実際、20年以上のキャリアを誇る福島県のベテラン高校教師も生徒たちの変化を感じている。
「昔より帰宅部が増えた印象は確実にありますね。私の担任する学年の部活加入率は高いほうですが、下の学年は帰宅部が多い。生徒の趣味嗜好が多様化したことで部活へのニーズが低下しているんだと感じます。現在、私は文化部の顧問ですが、その中でもかつてパソコン部などは運動もできないし、部活もやりたくない生徒の逃げ場のような部でした。そのため人数が多くなりがちでしたが、今は数人程度。スマホがあるので、別に学校でネットをする意味はないですから当然ですね」
中学では帰宅部生徒のスポーツクラブ加入率が高かったが、高校では中学よりもその割合は低い。スポーツ庁による「運動部活動等に関する実態調査」(平成29年度)によると、高校で運動部に所属しない生徒のなかでスポーツクラブに入っている割合は2.8%。同年中学の14.3%に比べるとかなり低いことがわかる。
「うちの学区ではかなり運動ができる生徒でなければクラブチームには入りません。帰宅部は空いた時間なにをしているかというと、スマホでゲームをしたり動画をみたりじゃないでしょうか。実際、面談をしても24時前に寝ている生徒はほとんどいない。正直、学力が高い学校ではないので、勉強をしているとも思えないです」(前出、福島県高校教師)
「野球部をなくすな」OBが乗り込んできた
帰宅部の増加や少子化の影響で、高校でも部活動の統廃合が進んでいるという。その結果、「やりたい部活もないし、クラブチームに行くほど運動に自信もない生徒はなにもしない学校生活になっている」と前出の教師は嘆息する。ただ、そんな時代の趨勢と逆行して、OBの熱意だけはいつまでたっても冷めやらない。