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<セッターは誰に託す?>「金メダルはすべて新戦術」5年ぶり再登板、女子バレー眞鍋政義新監督のパリ五輪への課題

posted2021/10/18 06:00

 
<セッターは誰に託す?>「金メダルはすべて新戦術」5年ぶり再登板、女子バレー眞鍋政義新監督のパリ五輪への課題<Number Web> photograph by JMPA

ロンドン五輪では銅メダル、リオ五輪では準々決勝敗退という成績を残した眞鍋新監督。再登板での手腕が問われる

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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 10月14日、日本バレーボール協会が理事会を開き、バレーボール女子日本代表の監督に眞鍋政義氏の就任が決まった。眞鍋氏は2016年まで監督を務め、2012年のロンドン五輪ではオリンピックで28年ぶりの表彰台となる銅メダルを獲得。2016年リオデジャネイロ五輪で準々決勝敗退に終わったあと退任した。

 女子日本代表は、中田久美監督が率いた東京五輪で、25年ぶりの1次リーグ敗退に終わり、大会のあと中田監督は退任。後任に注目が集まっていたが、眞鍋氏が5年ぶりに監督に復帰することになった。

 監督の選考にあたっては、監督推薦委員会を4度開催し、当初5名が候補者としてリストアップされたという。その中から絞り込み、面接も踏まえた上で多数決で眞鍋氏の推薦が決まる、という過程を経た。

 日本バレーボール協会の嶋岡健治会長は眞鍋監督の強みとして「ロンドンの経験があり、Vリーグの関係者から情報もたくさん得られる」点をあげている。

3年で日本女子を再建するために

 パリ五輪まではあと3年、オリンピックへの出場権を懸けた試合のスケジュールも当然、より早い段階に組まれる。東京では厳しい結果に終わっており、再建の時間は決して多くはない。そのため、手腕が未知数であるよりも、オリンピックでのメダルという実績を残し、プロバレーボールクラブチーム「ヴィクトリーナ姫路」オーナーを務めるなど国内事情も把握している点を重視したことがうかがえる。

 嶋岡会長は「身長が低い中スピードで対抗し、レシーブで頑張るという中田監督のやってきたことは間違っていない」と東京五輪を総括する。そして、その延長線上での強化を希望している。

 身長の違いが影響するバレーボールで上位を目指すには、相対的に身長が高い海外の強豪国を相手に対し、日本がどこに活路を見い出すか、模索せざるを得ない。眞鍋氏自身、ロンドン五輪ではデータを活用した「IDバレー」を打ち出し、さらにトスからスパイクに至る時間の短縮を試みた。相手のブロックが整う前に攻撃しようという意図があった。

 ロンドン五輪後、さらなる飛躍のために打ちだしたのが、通常は2人置くミドルブロッカーを1枚削り、アタッカーを1人増やす戦術だった。日本はミドルブロッカーの得点が低い傾向にある、それなら減らしてアタッカーを増やし、攻撃を多彩にしようという試みだった。

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