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“鉄人”遠藤航すら動きが重かった…森保監督の「ラージグループ」構想はどこへ行ったのか?<日本代表の論点>

posted2021/09/15 17:02

 
“鉄人”遠藤航すら動きが重かった…森保監督の「ラージグループ」構想はどこへ行ったのか?<日本代表の論点><Number Web> photograph by Takuya Sugiyama/JMPA

アジア最終予選の初戦、オマーン戦で指揮をとる森保監督。手痛い敗北を喫し、今後の選手起用などに変化は起きるか

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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Takuya Sugiyama/JMPA

「ラージグループ」は、日本代表の新しい形態を定義する大切なキーワードである。

 ロシアワールドカップ日本代表を率いた西野朗監督が「大きな集団」として多用した表現を、コーチとして師事した森保一現監督も引き継いだ。

 日本代表メンバーは拡大した。

 東京オリンピック代表チームを率いていた指揮官はA代表と兼任し、「融合」に取り掛かった。1チーム2カテゴリーなる言葉も飛び出した。実際、A代表と五輪代表をミックスさせたチームを何度も編成する。そこからA代表デビューを飾った選手も少なくない。

 分母を増やしていき、競争させ、融合させ、拡大したメンバーからチョイスしていく――。

当初は“ローテーション”の意識があった?

 かつての「ラージグループ」は競争がメーンで、ふるい落としに掛ける選考のニュアンスが強かった。だがそれよりも選択肢を増やしていくほうに比重を置く時代になったと感じたのは、森保監督の編成に当初、ローテーションの意識がのぞいたからだ。

 残留争いなどチームの状況やチームでのポジション争いに配慮して、親善試合で欧州組の招集を見送ったケースもあった。欧州組が多数を占めるようになり、国内で試合となれば長距離移動や時差などコンディション面の負担がのし掛かる。昔は一部のみであったが、ほぼ全員の問題になった今、チーム全体のパフォーマンスに直結する。また、代表戦がコンディションに影響して、欧州で出場機会を失ってしまうきっかけとなってもいけない。

「試合のたびに欧州から毎回同じ選手を呼ぶ」というのはマネジメントとしては時代にそぐわなくなってきた。たっぷりと戦術を落とし込む時間も、昔に比べたら圧倒的に少ない。だが昔と違うのは、多くの日本人選手が海を渡って活躍し、国内に目を向けても代表経験の豊富な選手や伸び盛りの若手もいて選択肢が増えたこと。ならば同じメンバーのみで積み上げていくよりも、頻繫にメンバーを入れ替えながらグループを大きくしていったほうがいい。森保監督のマネジメントには、今後の在り方を示す期待を抱かせた。

 しかしながら――。

【次ページ】 オマーン戦の敗北が突きつけているものとは?

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