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なでしこ五輪惨敗→逆風のWEリーグ開幕 「第3節までは注目してもらえると思いますが…」新規ファン獲得へ必要なものとは
posted2021/09/17 06:00
text by
海江田哲朗Tetsuro Kaieda
photograph by
Takuya Sugiyama
9月12日、WEリーグ開幕。日本の女子サッカーがプロとして組織化され、新たな時代の幕を開けた。
注目の開幕戦、味の素フィールド西が丘では昨季の皇后杯を制した日テレ・東京ヴェルディベレーザ(以下、ベレーザ)と、リーグ覇者の三菱重工浦和レッズレディース(以下、浦和)の好カードが組まれた。
開始からベレーザは縦へ横へボールを動かしながら攻撃の入口を探り当てようとするが、浦和は素早い対応で要所を締め、ボールを奪ってすぐさまカウンターを打つ。中盤の攻防は激しく、その点では浦和に分がありそうに見えた。
ゲームが動いたのは33分、ベレーザは最終ラインの村松智子から前線を走る植木理子にパスが通り、小林里歌子との大きなワンツーを完成させて植木がゴールネットを揺らす。どの場所からも常にゴールへの近道をサーチし、習慣として根づいているベレーザの抜け目なさが光った得点だった。
後半、前線のパワーに勝る浦和が反撃に出る。49分、右サイドを突破した安藤梢のクロスから菅澤優衣香がダイレクトボレーを決めて同点。終了間際の88分には波状攻撃を仕掛け、最後は塩越柚歩が鮮やかな反転シュートをネットに突き刺した。
2427人の観客が入ったが、自粛ムードの中で
1-2の敗戦を振り返り、ベレーザのキャプテンの清水梨紗は言った。
「ゲームの入り方は悪くなかったですが、後半に失点してから相手に勢いづかせてしまった。今日の開幕戦、スタンドを見渡せば小さい子から大人までたくさんの方々が来場してくださって、こういう雰囲気で試合ができるのは本当に幸せだなと感じました。それだけに勝ちにつなげられなかったのが残念です」