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「大治郎さんの言葉の意味がわかってきた」Moto2で初表彰台2位を獲得した小椋藍の、加藤大治郎を彷彿させる才能とは

posted2021/08/20 06:01

 
「大治郎さんの言葉の意味がわかってきた」Moto2で初表彰台2位を獲得した小椋藍の、加藤大治郎を彷彿させる才能とは<Number Web> photograph by Satoshi Endo

Moto2昇格後11レース目にして初めて表彰台に上った小椋。頂点もしっかりと視野に入れている

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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Satoshi Endo

 昨年Moto3クラスでチャンピオン争いをして総合3位になり、今季、Moto2クラスにスイッチした小椋藍が、後半戦のスタートとなったオーストリアのレッドブル・リンクの2連戦で素晴らしい走りを見せた。

 第10戦スティリアGPでは、予選2番手からトップを走るマルコ・ベゼッキをピタリと追走し優勝争いを繰り広げた。レース終盤、トラックリミット(走路外走行)の違反を取られ(3回で警告、5回目でペナルティ)、コースの一部に設定されている迂回路を走行しなければならないロングラップペナルティを科せられた。この結果、5位にポジションダウン。

 その悔しさをぶつけた翌週の第11戦オーストリアGPでは、トラックリミットの違反が0回という意地を見せ、予選3番手からトップのラウル・フェルナンデスを追撃。初表彰台獲得となる2位でフィニッシュした。

 どちらも優勝の可能性があった2レースを、小椋はこう振り返った。

「スティリアGPでベゼッキを追いかけたときは、優勝できたかどうかはわからないが、あのまま走っていれば、一度は抜けたかも知れない。オーストリアGPはラウルに追いつき、彼がペースを上げる前に(前に出る)チャンスはあった。でもラスト5周はスパートを掛けられついて行くのがやっとだった。(優勝争い、チャンピオン争いをするには)まだまだやらなくてはいけないことがありますね」

決勝レースで最高の走りをする才能

 スティリアGPとオーストリアGPは、実に小椋らしいレースだった。フリー走行、予選の走りを決勝で見事に再現した。セッションをこなす毎に着実に前進していく。その走りがぶれないことではクラスでイチバンだろうと思う。というのも、Moto3クラスにデビューして以来、転倒などをのぞき、ほとんどのレースで決勝がイチバン良い結果だからだ。

 その背景には、小椋ならではのレースウイークの進め方がある。レッドブル・リンクの2連戦では、フリー走行や予選を1セットのタイヤで走り切った。小椋に「PPよりも決勝を見据えてロングランに徹しているの?」と聞くと、彼は「そんなことはない。僕だって速いタイムを出したいしPPも狙っている。予選では、使えるタイヤの本数に制限があり、今回は予選用のソフトが一本しか残っていなかったから走り続けただけ。その方がタイムが出ると思った」と答えてくれた。

【次ページ】 1ラップ0.5秒の遅れが致命的

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