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【EURO開幕】中村憲剛と佐藤寿人が「死のF組」を斬る! ロナウド擁するポルトガルの不安要素とは?
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph byAsami Enomoto
posted2021/06/10 17:00
EURO2020を控え、各グループの戦力比較から優勝候補まで分析し尽くした中村憲剛と佐藤寿人。
中村 ロリス、グリーズマン、ジルーというセンターラインが変わっていないし、個人的には監督のデシャンもピッチ内外において、そういう部分に重点を置いた選出をしているな、と見えるかな。
佐藤 後ろも(守備が)堅いっていうのも大きなポイントですよね。
中村 ラングレクラスがサブだからね。あと、このチームを率いているのがデシャンなのもまたよし。選手としても監督としてもW杯で優勝を経験していて、存在で示すっていうところは大きいかもしれないね。もし他の人が指揮を執っていたら、個性が強い集団だけに崩れる可能性だって秘めていると思いますよ……って、フランスだけでどれだけ話すんだっていう(笑)。あと、前回EURO覇者のポルトガルもいいメンバーが増えてるよね。
「マンチェスター・シティにおいては“神”のような存在」
佐藤 確かに、選手個々のクラブレベルでの活躍を考えると、ポルトガルもかなりのメンバーが揃ってますね。
中村 ルベン・ディアスは今季のマンチェスター・シティにおいては“神”のような存在でしょ。それに、ポルトガルは伝統的に守備が強いけど、今のルベン・ディアスがいることは超プラス材料だと思う。
――ロナウドについてはどう見ていますか。
佐藤 批判はたくさんあると思いますけど、ゴールという結果を出しますからね。ストライカーとしての決定力、しかも大一番でこそ発揮する力はまだまだ健在かなと思います。
中村 けどなあ……。
佐藤 ダメですか?
結果を残すチームの“絶対的なベース”とは
中村 いや、そりゃあすごい選手だよ。残している数字もすさまじいし、とんでもなくすごい。でも、さすがにもう、サッカーそのものの進化が、守備を免除とまではいかないけど、「そこまでしなくていい」とされる選手が1人でもいるチームが優勝することは難しいフェーズまで来てると思う。今の潮流として強いチーム、結果を残すチームの絶対的なベースには「全員ハードワーク」が必ずあるなと。ロナウドの守備を免除して、それでも勝ち上がるチームを作るのは、今の時代、簡単じゃないなと思う。