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28年間の歴史で1人もいない… プレミアで初めて頂点に立つイングランド人監督は誰だ?
posted2021/05/03 06:01
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph by
Getty Images
イタリア人:4回。ポルトガル人:3回。フランス人:3回。スペイン人:2回。チリ人:1回。ドイツ人:1回。果たして、これが何を意味しているのか。このヒントを加えれば、お分かりだろうか。スコットランド人が2人で、14回。
そう、プレミアリーグで優勝を味わった監督の内訳である。
トップはスコットランド人で、1995-96シーズンのブラックバーンを指揮したケニー・ダルグリッシュと、もう1人は言うまでもなく、マンチェスター・ユナイテッドを率いたアレックス・ファーガソンだ。
しかし、イングランド人が1人もいない。イングリッシュ・プレミアリーグであるにもかかわらず、だ。最高成績は92-93シーズンのロン・アトキンソン(アストンビラ)と95-96シーズンのケビン・キーガン(ニューカッスル)の2位。外国人監督が数えるほどの時代の話だ。
外資参入で有能な外国人監督を招聘するように
その後、外国資本の参入により経済的アドバンテージを得た各クラブは、すぐに結果を求めるオーナーの意向もあり、有能な外国人監督を招聘するようになった。
例えば、チェルシーのジョゼ・モウリーニョ、リバプールのラファエル・ベニテス……。彼らは対戦相手を的確に分析し、ゲームプランも理詰めだった。
そのうえアラン・シアラー、リオ・ファーディナンド、ジェイミー・キャラガーなど、イングランド代表の中心として活躍していたOBたちが指導者に興味を示さず、メディアにセカンドキャリアを求めたこともイングランド人監督の不足を招いた一因と考えられる。
ユナイテッドOBのガリー・ネビルは、バレンシアをわずか16試合で追われたのを最後に、現場に戻るそぶりが一切ない。
ジネディーヌ・ジダンは現役時代にフランス代表で、そしてユベントスで多くの栄光に浴しながら、引退後はレアル・マドリーの監督として骨身を削っている。
ジョゼップ・グアルディオラも、自身が身につけたバルセロナのイズムをバイエルンやマンチェスター・シティに注入した。ディエゴ・シメオネ(アトレティコ・マドリー)、アントニオ・コンテ(インテル)も同様だ。
そんな彼らと元イングランド代表の面々の思考回路は、共鳴できそうにない。