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“NEXTバーディー” が挫折から成り上がり中…「 19歳で6部→6年後イングランド代表」と「12部→2部の196cm砲」、 2人のFWの名は?
posted2021/05/02 11:02
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph by
Getty Images
3月25日、カタールW杯欧州予選・サンマリノ戦でひとりの男がイングランド代表デビュー、そして初ゴールをマークした。
オリー・ワトキンス。アストンビラでプレーする25歳のストライカーだ。年代別代表の経験は皆無で、14-15シーズン後半はいわゆる「ノン・リーグ」と呼ばれる6部でプレーしていた。
それから6年、イングランドのトップカテゴリーで12ゴールを挙げ、スリーライオンズのスコアラーに名を連ねる存在にまでなった。
バーディーのような成り上がりはたびたびある
近年は国外からトップクラスの選手が参加するプレミアリーグ。加えてアカデミー制度の発達により国内の優秀な選手は、1部や2部クラブのアカデミー出身というのが定番だ。イングランド代表ともなれば、大抵は年代別代表でのプレー経験を有している。
だからこそ、30代にしてリバプール移籍とイングランド代表デビューを果たしたリッキー・ランバートのキャリアは光を浴びた。18歳の頃はプレーするクラブもないまま工場でビンの蓋を閉めていたという彼の過去は、フットボーラーを目指す少年たちに夢を与えたはずだ。
ノン・リーグでプロデビューしたマイケル・アントニオは今や、ウェストハムの顔ともいえる選手だ。
そして工場勤務をしながら7部リーグでプレーしていたジェイミー・バーディー。彼はちょうど5年前の今日、プレミアリーグのカップを掲げた。それだけでなく、W杯出場やプレミア得点王を成し遂げた彼のキャリアは”成功者”そのものだ。
2014年、4部でデビューしたワトキンスだが
話をワトキンスに戻そう。彼がプロ契約を結んだのは2014年4月、2013-14シーズンにU-18チームで28ゴールを挙げたエクセターでトップチーム昇格を果たした。同シーズン、リーグ2(4部)の最終戦でプロデビューも飾っている。
アカデミーでの活躍が認められたワトキンスだったが、それからプロの壁に直面することになる。翌シーズンはシーズン前半で公式戦3試合、合計でわずか44分の出場時間しか得られなかった。