月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER
「東京五輪師匠」だけなぜ優遇される? 「国のかじ取りをする人たち」の“スポーツ紙的”決まり文句に要注意!
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph byKYODO
posted2021/05/01 17:00
佐藤輝明の活躍に盛り上がる甲子園だが、緊急事態宣言を受け、5月11日までに4試合が無観客開催となる
そんななか、浅草演芸ホールが緊急事態宣言中も通常営業を宣言、というニュースがあった。東京都から演芸場に対して無観客開催の要請があったが、そこには「社会生活の維持に必要なものを除く」という文言が(編集部注※その後、5月1〜11日の休業を受け入れた)。
《大衆娯楽である「寄席」は、この「社会生活の維持に必要なもの」に該当するという判断から、4月25日以降も通常通り営業することといたしました。》(浅草演芸ホールHP)
「社会生活の維持に必要なもの」とは何か? その回答次第で各人の文化に対する接し方もわかってしまう今。
勝てば勝ったでまだ不安だから応援し、負けたらなおさら応援する。こういう日々を過ごすファンにとって野球を観ることは生活の一部であり、生きがいになっている人もいるだろう。「タイガースは社会生活の維持に必要」という人はたくさんいるはずだ(例として野球を挙げましたがお好きなスポーツやチーム名、エンタメ名を入れてください)。そんなことにあらためて気づかされた。
五輪だけはなぜ?
ついでに言うと「東京五輪師匠」だけはなんであんなに優遇されてるのだろうとも気づく。
大御所の師匠であるのはわかるが随分と特別扱いにみえる。あの師匠だけはやりたい放題。どんなにコロナ禍となっても、どんな醜聞があっても偉い人から咎められない。最強の座を手に入れている。最優先で守られている。ああ、こんなことなら五輪に出ときゃよかった。
東京五輪はスポーツ面よりも政治面で書かれることがめっきり多くなった。東京五輪開催ってアスリート以外では“誰”が“何”に期待しているのか。何を五輪に懸けているのか。コロナウイルスはそんな想像の時間も人々に与えてしまった。
さて「コロナ禍とスポーツ新聞」で面白い指摘をしていたのがスポーツ報知の名物コラム『仙ペン』である。