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花粉症にアスリートはどう対応している? スポーツドクター「ドーピングに引っ掛かる物質が多いので…」
posted2021/03/15 17:00
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
Getty Images/Toshiya Kondo
「ごめんなさい、僕、かなり鼻声ですよね……」
2015年3月中旬、湘南ベルマーレの10番を背負う菊池大介選手にインタビューした時のこと。
取材自体はスムーズに進んでいたものの、菊池選手はしきりにまばたきをし、鼻をすすっていた。
もしかして菊池選手、花粉症ですか?
「はい、数年前に発症したんです。(練習場の)馬入ふれあい公園は川沿いで海も近いぶん風が強いので、この時期は大変です」
豊富な運動量と確かなテクニックでチームの中軸を担う菊池選手。そんな彼がツラそうな表情を浮かべるのを見て、なんだか取材するのがしのびない気持ちになった。
そういえば、筆者は福西崇史さんのメルマガを担当していたのだが、福西さんにも現役時代には花粉症で苦しんだという話を聞いた。ちなみに関東地方ではスギ花粉のピークが過ぎつつあるが、全国的な花粉情報を見ると西日本や東北地方ではまだ「非常に多い」のマークだらけ。トップアスリートだけでなく、趣味でランニングやゴルフ、フットサルや草野球をやる人たちにとって、花粉は春の難敵である。
「花粉症とアスリート」の話を聞きにJISSへ!
花粉症の苦労話を色々と聞いているうちに、ふと思いついた。
「じゃあ、アスリートを診察するお医者さんはどう対処しているんだろう?」
もし話を聞けるのなら、アスリートを専門に診察している機関ってないだろうか? と思案したところ……あるじゃないか!
スポーツ科学・医学・情報などを先端的に研究している国立スポーツ科学センター(JISS)なら、この疑問を解決してくれるかもしれない。しかし「花粉症とアスリート」というヘンテコ、もとい、斬新なテーマの取材に応じてくれるのだろうか?
一抹の不安を抱えながら問い合わせてみると、なんと二つ返事でオーケー。喜び勇んで東京都北区西が丘にあるJISSへと向かった。