松岡修造のパラリンピック一直線!BACK NUMBER
パラバドミントンの超新星現る!
松岡修造が里見紗李奈にラリーを挑む。
text by
松岡修造Shuzo Matsuoka
photograph byNanae Suzuki
posted2020/06/11 11:00
多くの車いす競技を取材してきた松岡修造さんも、さすがにラケットを振りながらは難しい!
車いすは左右の動きが難しい。
戦術に関する話題に入ったところで、パラバドミントン専任コーチとして2018年から里見選手を指導する山崎将幸さんも加わり、パラバドミントンで使われる車いすの特徴について聞いた。
松岡「シングルスをコート全面でやったらどうなりますか?」
里見「え、無理です、無理です。広すぎます」
松岡「何が無理ですか? コートが広くなれば、そのぶんアングルショットができたりして、戦術の幅が広がると思うんですが」
山崎「車いすって、車輪が縦方向についているので横方向に動くのがすごく難しいんです。だからコートの幅を広げるというのは現実的ではありません。ただ、戦術の幅を広げるという観点では、相手選手を左右に動かすというのは非常に有効です」
松岡「この狭いコートの中で相手選手を左右に動かすって、すごいコントロールが必要ってことですね。紗李奈さん、どういう練習を……ってちょっと! そのチアリーダーのバトントワリングみたいなの、やめてもらっていいですか!」
里見「(ラケットをくるくる回す手を止めて)キャハ! すみません(笑)」
松岡「上手だね。どうやって身につけたの? プレー中もやりますか?」
里見「自然と身につきました。プレー中はやりません」
新しい攻め方をされると「面白い!」。
松岡「プレーしている中で何が一番面白いですか?」
里見「何だろう? 難しいのが面白いです。対戦相手によって攻め方が全然違って、相手に新しい攻め方をされて自分が対応できなかったりすると、『こんなやり方もあるんだ!』って楽しくなります」
松岡「普通は、自分がいい攻め方ができてポイントが決まったときに『面白い!』ってなりますよ。なのに、自分がポイントを決められて面白いっていう人は、聞いたことがありません」
里見「もちろん、それもありますよ。でも、取れない→悔しい→面白いな、私もやりたいなって」
松岡「そっか、1つずつ自分の物にして戦術が増えていくことが楽しいってことですね」
里見「そうです。私、結構、人を見て吸収することが多くて、新しい技術に出合うと、また自分のスキルが上がるきっかけになるなって嬉しくなるんです。そういうときが面白いんですよね」