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絶対的支柱・篠山竜青を欠く川崎。
Bリーグ制覇へPG青木の役割と責任。
posted2020/01/24 08:00
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Syo Tamura/AFLO SPORT
本当に強いチームというのは、敗戦や苦境を糧にしていける集団である。
川崎ブレイブサンダースは、1月12日に行なわれた天皇杯決勝で死闘の末にサンロッカーズ渋谷に敗れた。しかも、昨年末に全治3カ月の怪我を負ったキャプテンの篠山竜青をしばらく欠いたまま、Bリーグの後半戦に挑まないといけない。
「今大会を通じて、目指しているバスケットには本当に手ごたえを持っていますし、絶対に間違っていないと思っています」
決勝後の佐藤賢次ヘッドコーチ(HC)の言葉の正しさを証明する川崎の戦いが、これから始まる。
そのキーマンの一人が青木保憲である。
“天皇杯仕様”の川崎のスタイル。
青木については、天皇杯で対戦した渋谷も入念に研究していたという。
1月11日に行なわれた準決勝の第1試合(*)に勝利した渋谷のコーチングスタッフは、第2試合の川崎の戦いぶりをアリーナのスタンドからスカウティングしていた。
(*1月に準々決勝以降の試合を集中開催するフォーマットは今季かぎりで、来季からはベスト32の対戦が始まる10月末以降は、準々決勝、準決勝、決勝とほぼ1カ月に1度のペースで試合が行なわれ、3月に決勝戦が開催されることになる)
勝負の行方がほぼ決した第4クォーター(Q)の残り2分までアリーナで見届けた彼らは、ホテルに戻ってから、もう一度、この試合を分析。さらには、10月に川崎と対戦したBリーグの2試合の映像も再度チェックした。
その上で、彼らはこう結論づけた。
負傷の篠山と、インフルエンザを患っていた藤井祐眞という2人のポイントガード(PG)がいない川崎は、10月とは攻守ともにスタイルが異なるチームだ、と。
彼らが決勝戦の登録メンバーにチャールズ・ジャクソンではなく、セバスチャン・サイズを選んだ理由の1つもそこにあったのだが、彼らは“天皇杯仕様”の川崎のスタイルにも着目していた。