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絶対的支柱・篠山竜青を欠く川崎。
Bリーグ制覇へPG青木の役割と責任。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph bySyo Tamura/AFLO SPORT
posted2020/01/24 08:00
天皇杯決勝にも出場した川崎のPG青木保憲。怪我の篠山に代わってチームの司令塔が務まるか。
「少し気持ち悪くなった」
翌日、篠山の穴を埋めていたPG藤井がインフルエンザにかかり、準決勝以降は試合に出られないことがわかった。青木はプレッシャーから「少し気持ち悪くなった」というが、気持ちは切り替えた。
準決勝の宇都宮ブレックス戦では、第1Qの残り5分6秒の時点で辻直人にかわりコートに立つと、その約1分後に鋭いドライブからゴール下までアタックする。相手が来たところでパスを出し、ジョーダン・ヒースの強烈なダンクをアシストした。
7得点、3アシストという結果はもちろん、チームとして守り切らないといけない局面では佐藤HCの「ファウルは有効に使うもの」という考え通りのプレーを見せて、守備でも貢献していた。
だから、準決勝のあとに、指揮官は青木の活躍に顔をほころばせた。
「青木のプレーには、“大満足”しています。新たな信頼を勝ち取ったと思っています。
こうやって青木が活躍するということは日ごろの準備の成果だと思うし、それを支えてくれたアシスタントコーチやコンディショニングスタッフが、今日のようなプレーができるように、彼に準備をさせてくれたというチーム力の証明だと思いますから」
「偶然で勝つことは絶対にない」
決勝でも青木は16分52秒にわたってプレーして、チームの奮闘に貢献していたが、それでもチームはタイトルにあと一歩とどかなかった。
試合後に悔しさをおさえながらも、彼はこう話した。
「天皇杯をとれなかったですけど、次の目標は、Bリーグのファイナルで優勝するということ。一発勝負の緊張感だったり、そういうのを今回、感じ取れたというのは収穫だと思います。
1ポゼッション(1回の攻撃のこと)がどれだけ大事なのかというのを、すごく感じ取れたので。スクリーンだったり、アタックからのパスだったり、一つひとつの細かい部分をどれだけつきつめて、40分間やれるか。
偶然で勝つことは絶対にないと思いますし、そういうところで、個人的にもチームとしても、どれだけ徹底できるかですよ」