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絶対的支柱・篠山竜青を欠く川崎。
Bリーグ制覇へPG青木の役割と責任。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph bySyo Tamura/AFLO SPORT
posted2020/01/24 08:00
天皇杯決勝にも出場した川崎のPG青木保憲。怪我の篠山に代わってチームの司令塔が務まるか。
渋谷の徹底した分析と対策。
渋谷の浜中謙アシスタントコーチはこう語っている。
「青木選手はミスも少ないですし、オフェンスでは自分が犠牲になったとしても他の4人を活かすプレーの決定度や忠誠心に素晴らしいものがあります。川崎さんの掲げているディフェンスの頑張りを最も体現している1人でもありました。
彼に周りを活かすような仕事をさせないためにどうすれば良いのかについても、決勝の前には議題の1つとして挙がりました」
王者・渋谷の分析と対策は徹底されており、篠山と同じPGを務める青木は、それほどまでに警戒されていた──。
スマホを通してアドバイスを受ける。
青木は、篠山の長期離脱が決まってから最初の試合となった1月4日の富山グラウジーズ戦で、キャリアハイの12得点を記録している。
しかし、翌5日の試合には17分出場して、得点もなく、低調なパフォーマンスに終始した。それもあって、1月9日の天皇杯の準々決勝アルバルク東京戦では、出場するチャンスは与えられなかった。
佐藤HCは準々決勝の後にこう語っている。
「その前の富山との2試合目で良いプレーをしていなかったことが、ちょっと僕の頭の中にあったので。1つの試合が次につながるし、次の試合がさらにその次の試合につながるということを、しっかり理解してくれれば……」
この試合の後、青木はスマホを通してアドバイスを受けている。
遠く離れたところからチームの勝利を祈念する「念組」であるとツイートして、チームには帯同されていなかったキャプテンの篠山からだった(バスケ界では怪我をしていてもアウェーゲームにも帯同されるのが一般的だが、リハビリなどの事情から帯同できなかった)。
戦術面のアドバイスとともに、こんなメッセージが送られた。
「これから大事な準決勝があるんだぞ。しっかり準備しておけ!」