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天皇賞・春はもはや“何でもあり”。
GI馬が1頭だけ、同日の香港は4頭。

posted2019/04/26 16:30

 
天皇賞・春はもはや“何でもあり”。GI馬が1頭だけ、同日の香港は4頭。<Number Web> photograph by Satoshi Hiramatsu

クイーンエリザベスII世カップに向けて、香港でディアドラの最終追い切りに跨った武豊。

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平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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Satoshi Hiramatsu

 今週末は日本ばかりでなく、香港の国際GIレースにも日本馬が出走する。今回はそれらビッグレースのプレビューを記していきたい。

 まずは日本から。28日に京都競馬場で行われるのが天皇賞(春)(GI、芝3200メートル)だ。平成最後のGIとなる伝統のこの競走。ひと昔前はメジロマックイーンやライスシャワー、スペシャルウィークやテイエムオペラオーなど、他のGIを勝っているような馬でないと勝てない格式もレベルも高いレースだった。

 しかし、スピード化に拍車がかかったせいか、伝統の長距離GIは徐々にその色合いを変えていく。2004年にイングランディーレが単勝71.0倍の10番人気ながら初のGI勝利を飾ったのを皮切りに、翌年もスズカマンボが初のGI制覇をこの競走で記録。'08年のアドマイヤジュピタ、'11年のヒルノダムール、'13年のフェノーメノ、そして昨年のレインボーラインも同様。

 それどころか'09年のマイネルキッツ、'10年のジャガーメイル、'12年のビートブラックなどは初GIどころか初重賞制覇がこのレースだった。

 そしてすべての馬に共通している事は、結局ほかのGIレースは勝つことがなかったという点。唯一フェノーメノがGIを2勝したが、2勝目もこの天皇賞(春)だった点から、このGIがいかに異質な競走になったかが分かる。

いつの間にか“何でもあり”のレースに。

 一方、近年で勝利した実績馬としては、'16、'17年に連覇したキタサンブラック、その前の'15年の優勝馬ゴールドシップ、更に遡らなければならないが、'07年のメイショウサムソンや'06年のディープインパクトなどがいる。彼らは押しも押されもしないGIホース。その時々で最強と言われたレベルの馬達であり、実績を残した馬がここもクリアするのであれば、このくらい突き抜けた能力の持ち主でないと難しい。

 中には'12年に単勝1.3倍の圧倒的1番人気に支持されながらも11着に惨敗した三冠馬オルフェーヴルのように、能力的に秀でていながら負けたケースも多々ある。それだけどの馬にもチャンスがある、悪い言い方をすれば“何でもあり”のような傾向になっている感は否めないレースとなった。

【次ページ】 実績的に抜けた馬は皆無。

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