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天皇賞・春はもはや“何でもあり”。
GI馬が1頭だけ、同日の香港は4頭。 

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平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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photograph bySatoshi Hiramatsu

posted2019/04/26 16:30

天皇賞・春はもはや“何でもあり”。GI馬が1頭だけ、同日の香港は4頭。<Number Web> photograph by Satoshi Hiramatsu

クイーンエリザベスII世カップに向けて、香港でディアドラの最終追い切りに跨った武豊。

実績的に抜けた馬は皆無。

 それらを踏まえて今年、エントリーしている馬達を精査していくと、まず実績的に抜けた馬は皆無と言って良いだろう。唯一のGIホースがフィエールマン(牡4歳、美浦・手塚貴久厩舎)。

 このレースに強い傾向にある菊花賞馬ではあるが、そのGI勝ちが唯一の重賞勝ちで、キャリアもここまで僅か5戦しかない。先に紹介したキタサンブラックやゴールドシップクラスの実績があるかと問われれば、決してイエスとは言えない立場である。

 あくまでも記録上であり、統計上ではあるが、唯一のタイトルホルダーではあっても全幅の信頼を置くのは危険かもしれない。

 逆に重賞未勝利ながらも好走して不思議でなさそうなのがエタリオウ(牡4歳、栗東・友道康夫厩舎)か。

 この馬は重賞未勝利どころか、過去に勝ったのが未勝利戦のただ1勝。それでも前々走の菊花賞でフィエールマンのハナ差2着を始め重賞2着が実に4回。昨年の日本ダービーも上位馬が前残りで決着する中、唯一後方から追い上げて0秒2差の4着と好走した。今年のメンバー構成なら充分にチャンスがありそうだ。

武豊がポテンシャルを感じる馬も出走。

 エタリオウとは同僚の関係となるユーキャンスマイル(牡4歳、栗東・友道康夫厩舎)も虎視眈々と一発を狙う1頭だ。

 先述したフィエールマン、エタリオウで決着した昨年の菊花賞でそれらに次ぐ3着だったのがこの馬。前走のダイヤモンドSで初の重賞制覇を飾り、長距離適性が間違いない事を証明してみせた。ゆったりした臨戦過程が良い方に出れば勝負圏内に食い込んでおかしくないだろう。

 ほかにも日経新春杯勝ちのグローリーヴェイズ(牡4歳、美浦・尾関知人厩舎)、前走の阪神大賞典で意外とよく粘っていたロードヴァンドール(牡6歳、栗東・昆貢厩舎)の大駆けなどもありそうだが、もう1頭、注意したいのがメイショウテッコン(牡4歳、栗東・高橋義忠厩舎)だ。

 同馬は前走の日経賞で武豊騎手を背に見事に逃げ切り。以前は掛かるなど難しい面があったが、前走時はメンコ(耳覆い)を外してしっかりと折り合って精神的にも成長著しい。この点は武豊騎手も太鼓判を押しており「ポテンシャルは高いし、うまく流れが向いてくれれば通用しておかしくない」と言う。

【次ページ】 当の武豊は同日の香港で騎乗予定。

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