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天皇賞・春はもはや“何でもあり”。
GI馬が1頭だけ、同日の香港は4頭。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2019/04/26 16:30
クイーンエリザベスII世カップに向けて、香港でディアドラの最終追い切りに跨った武豊。
当の武豊は同日の香港で騎乗予定。
さて、そんな名手だが、実はこのメイショウテッコンに騎乗できない。同じ日に香港で行われるクイーンエリザベスII世カップ(GI、沙田競馬場、芝2000メートル、以下QEII)に騎乗するためだ。平成の盾男と呼ばれた同騎手は言う。
「もちろん平成最後の天皇賞に乗りたい気持ちはあります。ただ、単純に先に騎乗依頼をいただいていたので香港で乗る事になりました」
QEIIで彼が騎乗するのはディアドラ(牝5歳、栗東・橋田満厩舎)。3歳時の'17年に秋華賞(GI)を勝利。その後、GI勝ちこそないものの'18年のクイーンS(GIII)、府中牝馬S(GII)を優勝、海外遠征でも同'18年のドバイターフ(GI)が3着で香港カップ(GI)が2着。今回の香港は前走のドバイ(ドバイターフ4着)からの直行となる。
そんな実績馬に初騎乗となる武豊騎手は1度、現地入り。現地時間24日の早朝、決戦の地となる沙田競馬場で同馬の最終追い切りに跨っている。
「ウォーミングアップの時点では多少固い感じがしたけど、走らせてみたらさすがGI馬という動きをしてくれました。最後も無理はしなかったけど、速い脚を使ってくれました」
主戦だったC・ルメール騎手からは「最近はズブさが出てきたけど、馬混みは気にしない」など、アドバイスをもらったと言う。同レースにはウインブライト(牡5歳、美浦・畠山吉宏厩舎)とリスグラシュー(牝5歳、栗東・矢作芳人厩舎)も出走する。
また、同日同競馬場で行われるチェアマンズスプリントプライズ(GI、芝1200メートル)にはナックビーナス(牝6歳、美浦・杉浦宏昭厩舎)が出走。つまり天皇賞と同じ日に香港で2つのGIに4頭の日本馬が出走する事になる。平成最後のGIを勝利で飾るのは果たして誰か。注目したい。