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スポンサーも新エースの虜に?
ロッテ岩下大輝の魅力は「素直さ」
posted2019/03/24 08:00
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph by
Kyodo News
新戦力についつい目が行きがちな開幕直前のプロ野球界。でも、もしかすると……ブレイクの可能性を秘める無名選手が、息を吹き返すベテランが現れるかもしれない。そんな期待を込めて、各球団のダークホース的な選手たちを集めてみました! 今回は千葉ロッテマリーンズの岩下大輝選手です。
そんな話もあるのかと思わず驚嘆した。
「岩下の新生姜」などで知られる栃木県の食品会社「岩下食品」が今季、千葉ロッテの球団オフィシャルスポンサーに名乗りをあげた。投手・岩下大輝の登板時に、ファンが自社製品をもじり、インターネット上の書き込みしたことがきっかけだった。
岩下は今年でプロ5年目を迎える22歳。昨年は初の一軍昇格を果たしプロ初勝利も記録した若手のホープである。
とはいえ彼の実績を考えれば、今回のスポンサー契約は異例中の異例である。
同姓であるから、スポンサー契約をする。
そんなうまい話ばかりなら各社営業担当も苦労などしない。岩下食品・岩下和了社長の心意気に感謝すべきだろう。
「石川さんとか涌井さんと争いたい」
そんな周囲の期待を知ってか知らずか、今春のキャンプ出発前、ロッテ浦和球場で自主トレに励んでいた彼を直撃すると、彼の口から威勢のいい言葉が返って来た。
「(今年は大卒組の同級生がプロに入って来たが)特に変わらないですよ。そこと争っているつもりはないです。どちらかで言えば、石川(歩)さんとか涌井(秀章)さんと争いたいと自分では思っています。
そんなことを言うと、生意気に聞こえるかもしれないですけど、じゃないとローテーションには入れないと思っているんです。どうせやるなら上の人と争いたい。もちろん同級生は意識しますし、シーズンが進むにつれて負けたくないという気持ちも出てくるかもしれないですけど、今は同級生だからと言って特別意識することはないです」
そんな彼に頼もしさを感じると共に、益々の期待をかけたくなった。