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<元代表コンビ、言いたい放題>
前園真聖×城彰二「日本サッカーの未来のために」
text by

粕川哲男Tetsuo Kasukawa
photograph byTakuya Sugiyama
posted2016/03/18 06:00

2人とも1996年アトランタ五輪に出場し、ブラジルを破る「マイアミの奇跡」に貢献した。
Topic1:五輪代表の戦いぶり
城 よく勝ちましたよ。選手を分析しようとしても、Jリーグの試合に出てる選手が少なかった。自分のチームで試合に出られない選手たちがアジアに挑むということで、非常に厳しいだろうと想像していました。ところが、結果が結果で驚きました。僕は絶対にムリだと思っていたので……。
前園 あははは……。
城 運も味方につけて、流れをつかんで頂点まで上り詰めましたが、少しでも歯車が狂えば突破できなかったと思う。本当に紙一重。試合ごとに成長したとは思いますが、相手に助けられた面もある。俺、こんなぶっちゃけていいんですかね。
前園 いや、正直不安でしたよね。過去の五輪代表を振り返っても、自分のチームでリーダーシップを取って活躍している選手がほとんど。もちろん、突破してほしいと思っていましたが、僕も厳しいだろうなって。最終的に優勝することができましたが、個々の力やチーム力をイラクや韓国と比較すると、明らかに日本の方が劣っていた。手倉森(誠)さんは選手起用が大胆で、全試合スタメンで出た選手は1人もいなかった。にもかかわらず、よく突破できたなと思う。だけど、すべての選手が同じくらいのレベルという見方もできる。なっ、彰二。
城 そうですね。
前園 要するに、コイツは代えられないという選手がいない。昔なら前に彰二がいて、中盤に僕とかヒデ(中田英寿)、一番後ろに(川口)能活がいた。そういった選手がいない現状を考えると、今後の強化が大事。結果を求めるならオーバーエイジを使うべき。若い選手たちが自分のチームでレギュラーを奪うなどの成長がない限り、五輪代表が世界を相手に勝つのは難しいと思う。
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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