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異例の日中合同合宿で見せた、
男子体操の“本気の呉越同舟”。

posted2019/02/19 17:30

 
異例の日中合同合宿で見せた、男子体操の“本気の呉越同舟”。<Number Web> photograph by AFLO

ナショナルトレーニングセンターで行われた合宿で、鄒敬園のあん馬の演技を真剣に見つめる白井健三。

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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AFLO

 なんとも刺激的な光景が広がっていた。

 2月13日、東京・味の素ナショナルトレーニングセンター体操競技場では、日本と中国の男子トップ選手が入り交じりながら練習を行っていた。すなわち、世界のトップが一堂に会した練習光景だった。

 世界選手権と五輪で2009年から'16年まで8年連続で個人総合金メダルに君臨した内村航平(リンガーハット)が見つめる中、'17年世界選手権で新王者になった肖若騰が体を動かしている。2人は互いに強く意識し合っている間柄である。

 あん馬が置かれているエリアでは、種目別ゆかで「シライ」と名の付く技を3つ持つ“モンスター”白井健三(日体大)のすぐ目の前で、種目別平行棒の“フェノメノン”鄒敬園が旋回練習を繰り返していた。鄒はあん馬も得意で、さすがの身のこなし。あん馬を課題としている白井はその動きをじっと見つめていた。

世界1位を争う国同士。

 これぞ「呉越同舟」だ。日本と中国の交流と言えば、卓球の福原愛が'00年代半ばに中国スーパーリーグに参戦したのをはじめ、近年は平野美宇や伊藤美誠といった若手が中国のリーグに参戦して実力を磨いてきたが、これは日本が中国に学ぶというスタイル。

 一方、アーティスティックスイミングの井村雅代氏が中国チームの監督を務めたのはその逆で、表彰台の常連となっていた日本のノウハウを中国が学ぶスタイルだった。
 
 今回の体操はそのどちらでもない。'04年から'18年までの五輪と世界選手権での団体総合成績を並べてみると、

'04年アテネ五輪 日本1位 中国5位
'06年世界選手権 日本3位 中国1位
'07年世界選手権 日本2位 中国1位
'08年北京五輪 日本2位 中国1位
'10年世界選手権 日本2位 中国1位
'11年世界選手権 日本2位 中国1位
'12年ロンドン五輪 日本2位 中国1位
'14年世界選手権 日本2位 中国1位
'15年世界選手権 日本1位 中国3位
'16年リオ五輪 日本1位 中国3位
'18年世界選手権 日本3位 中国1位

 となっている。

【次ページ】 世界選手権で日本は屈辱、中国は復活。

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