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異例の日中合同合宿で見せた、
男子体操の“本気の呉越同舟”。
text by

矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byAFLO
posted2019/02/19 17:30

ナショナルトレーニングセンターで行われた合宿で、鄒敬園のあん馬の演技を真剣に見つめる白井健三。
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互いのリスペクトが学びにつながる。
教育実習のため北京合宿には参加せず、日本での合同合宿から参加している白井は、年齢が1歳違いと近く、世界選手権デビュー('13年)も同じだった林超攀をはじめ、中国選手と積極的に挨拶をかわしている。
練習を見た印象については、「中国は以前は技を重視していたけれども、今は基礎を大事にしている。中国の選手には試合のときに動画を撮影されていて、そういう謙虚な姿勢がある」と言う。
中国は'16年からフィンランド人フィジカルトレーナーのザン・エサ氏を招聘。関節の可動域を広げるトレーニングを精力的に取り入れている。
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今回の日本での合宿にも同行されており、肩甲骨の可動域を広げるための動きを入念に行っていた。
水鳥強化本部長によると、北京での練習では、ダンベルを使って肩甲骨周りを鍛えたり、おもりをつけての基礎練習の様子があったという。これらは日本では行なっていない練習方法である。
もちろん、中国のすべてが良いという訳ではなく、見て、感じて、取り入れるべきものがあるかどうかを考えていくことがまずは重要だろう。ライバルから刺激を受け、学ぶ姿勢。それらがプラスに働くことに大いに期待したい。
