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「インテグリティ」ってなんだ?
池田純が語る曖昧な言葉の危うさ。 

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池田純

池田純Jun Ikeda

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posted2018/09/06 10:30

「インテグリティ」ってなんだ?池田純が語る曖昧な言葉の危うさ。<Number Web> photograph by Kyodo News

会見で「納得がいかない」と述べた体操・宮川紗江選手。「アスリートファースト」の精神は守られるのか。

インテグリティよりもっと前の問題。

 私はこの“高潔”という言葉は協会側が都合良く活用する危険性を多分に孕んだ言葉だとあらためて思ってしまいました。

 さじ加減ひとつで解釈が変わって、言葉を使う側の都合に合わせて使うことすらできてしまう。馴染みがなく、範疇が広いこの言葉について、「世間がスポーツ選手に求めているものだよね」と偉い人が言い出せば、世の中全体が不完全で、公平さも公正さも失われている中、処分することの根拠にできてしまう。曖昧な言葉を基準にしていては、処分を決めようにも決められないはずなんですけどね。

 日本のスポーツ界があまりにもクローズドすぎるというのは私が常々言っていること。オープンにしていかないと、意味がないんです。インテグリティなどのもっともっと前の段階なんです。

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 偉い人がまず、正々堂々とスポーツマンシップを体現して、オープンにするところからスタートしなければなりません。

 その先に昭和の時代でストップしている組織や人や制度のメンテナンス、改革がはじまり、その時点でやっと、スポーツマンシップからインテグリティに移行していけるように私は思います。

 インテグリティが含有するあらゆるものを理解、推進、体現できる土壌すら、まだないのです。

シアトルの地域密着型プロスポーツ団体。

 他の国に目を向けてみましょう。

 MLS(メジャーリーグサッカー)にはスペインのバルセロナにも劣らない、地域密着のクラブがあります。

 それがシアトルにあるサウンダーズ。

 経営陣の実績や方針などを全て明らかにして、それを地域住民が投票で判断します。地元の人々の声によって経営陣の不信任や刷新などが可能となっているのです。

【次ページ】 協会はすべてを正々堂々とオープンに。

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