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“次世代クライマー”の勢いが止まらない。
世界ユース選手権で煌いた日本人たち。 

text by

津金壱郎

津金壱郎Ichiro Tsugane

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photograph byAFLO

posted2018/08/31 11:00

“次世代クライマー”の勢いが止まらない。世界ユース選手権で煌いた日本人たち。<Number Web> photograph by AFLO

ロシアで開催された世界ユース選手権リード男子ジュニアで優勝した楢﨑明智。

ユースでの悔しさを糧に急成長した中村真緒。

 一方で、ユースAでは悔しさを味わう選手もいた。2年ぶり2度目のユース世界選手権となった栗田湖有は、リードで12位、ボルダリングが14位。初出場の伊藤寛太朗はリードで12位、ボルダリングで20位。同じく初出場の伊勢一真はボルダリング16位、リード35位。3選手にとっては本意ではない結果だっただろう。

 ただ、ユース世界選手権ではメダル獲得や順位がクローズアップされがちだが、その存在意義は大会で味わった悔しさをバネにして、その後の成長につなげることにもある。

 その点において、今年からジュニアに上がった中村真緒は、ユース世界選手権で悔しさを糧に成長が著しい。

 ユース世界選手権には2015年から出場してきたが、得意にするボルダリングでは初出場時こそ準決勝に進んだが、前々回大会、前回大会では予選落ち。

 そして、「今年こそは決勝に進みたい」と意欲を燃やした今大会は、目標だった決勝進出を果たして4位になった。表彰台こそ逃したものの、完登数は上位3選手と並ぶ立派な内容であった。

 中村は苦手とするリードでも準決勝に進んで22位となり、スピードでも自己ベストをマーク。さらに翌週のW杯ボルダリング・ミュンヘン大会でも自己ベストの10位になるなど、ここにきてトレーニングの成果がようやく結果に繋がり始め、早くも出場最終年となる2019年のユース世界選手権での表彰台をターゲットに定めている。

 今年のユース世界選手権では悔しさを噛み締めた栗田、伊藤、伊勢の3選手も、中村のように悔しい経験を糧にして、大きく成長を遂げることを期待したい。

【次ページ】 土肥圭太は国境を越えた友情を。

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