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“次世代クライマー”の勢いが止まらない。
世界ユース選手権で煌いた日本人たち。

posted2018/08/31 11:00

 
“次世代クライマー”の勢いが止まらない。世界ユース選手権で煌いた日本人たち。<Number Web> photograph by AFLO

ロシアで開催された世界ユース選手権リード男子ジュニアで優勝した楢﨑明智。

text by

津金壱郎

津金壱郎Ichiro Tsugane

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AFLO

 スポーツクライミングのシーンで、“ニッポン・クライマー”が煌いている。

 W杯ボルダリングのシーズン最終戦となったドイツ・ミュンヘン大会(8月17・18日)で、野中生萌が2位となって自身初のボルダリングW杯の年間女王に輝いた。表彰式では何度も目頭を押さえて涙を堪え、生萌スマイルで歓声に応えていた。

 女子の年間ランク2位には野口啓代、男子の年間2位には楢﨑智亜。同じく年間3位になった杉本怜も、W杯初出場から8年目で初の年間トップスリーに笑顔を弾けさせた。

 そんな彼らを目標にする次代を担う若きコンペティターたちも、世界の舞台で輝きを放った。

 毎夏に20歳未満の選手で争われる世界ユース選手権が、ロシア・モスクワで開催され(8月7~16日)、日本から出場した男女20選手はボルダリング、リード、スピードに挑んで、計14個のメダルを獲得した。

谷井菜月が圧倒して二冠達成。

 世界ユース選手権は、開催年の誕生日での年齢で出場できるカテゴリーが決まる。今年で18歳・19歳(1999・2000年生まれ)なら「ジュニア」、16歳・17歳(2001・2002年生まれ)なら「ユースA」、14歳・15歳(2003・2004年生まれ)なら「ユースB」になる。

 ユースBの女子で鮮烈な輝きを放ったのが谷井菜月。昨年の同大会はリード、ボルダリングとも2位だったが、今大会は両種目で他を圧倒して二冠に輝いた。その谷井や、同カテゴリーで昨年はリードに優勝し、ボルダリングで7位の成績を残した森秋彩と同じ2003年生まれで初出場の工藤花が3位に入り、この世代の日本勢のレベルの高さを証明した。

【次ページ】 “2003年組”の5選手がメダル獲得。

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