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スノーボーダー・竹内智香がこれからも貫く“自然体”の自分。 

text by

林田順子

林田順子Junko Hayashida

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photograph byShigeki Yamamoto

posted2018/07/04 13:40

スノーボーダー・竹内智香がこれからも貫く“自然体”の自分。<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

やりたいことを見極める、大きな分岐点。

 平昌オリンピックを終えて、今はスキューバダイビングやゴルフ、友達や家族との時間、スポンサーとの時間、イベントへの出席やメディアでの仕事など、それまで競技優先で諦めていたこと、できなかったことをやっています。遊びに見えるようなことでも、ひとつひとつの経験が五感が研ぎすまされる瞬間で、最終的には全部自分にかえってきて、人生につながっていくのではないでしょうか。

 人生のなかで色々なターニングポイントがあると思うのですが、今、私はその大きな分岐点にいると思います。正しい判断、選択をしたいし、それができる時間だと思っているので、あまり慌てず、ストレスをかけずに今後やりたいことを見極めていきたい。

 自分が現役の余力を持っているうちに、次世代への普及活動も行ないたいし、スノーボードの大会も企画したい。スノーボードのビジネスや、機会があればレポーターもやりたいですね。ひとつに絞ろうとは思っていないし、自分の年齢や立場、状況を考えるとどれも頑張れる環境ではありますが、これをやるならこっちは諦めなきゃいけないなとか、それを今は選別しているとき。

 競技から完全に距離をおいた生活をしていって、それでも雪の上に戻りたいと思ったら、世界選手権なのか、オリンピックなのか、次の目標を立てますし、もし競技に戻りたいという気持ちにならなければ、完全燃焼をしたということ。それで引退するならば、選手としては幸せな形だと思っています。

竹内智香

竹内 智香Tomoka Takeuchi

1983年12月21日、北海道生まれ。14歳の時に見た長野五輪の影響で本格的にスノーボード競技を始める。'02年ソルトレークシティから今年の平昌まで5大会連続で冬季五輪に出場し、'14年ソチ大会では銀メダルを獲得。五輪以外でも'12年にW杯で優勝、'15年に世界選手権で銅メダルを獲得するなど、長きに亘って日本女子スノーボード界を牽引。

毎回1名のゲストの「生き方」「人間性」にフォーカスし、そこにある「美しさ」をあぶり出すBS朝日の番組。ビジュアルだけではなく、精神的、健康的など様々な角度から“肉体に宿る美”を探ります。スポーツ総合誌「Number」も企画協力。

MC:浅尾美和

第10回:竹内智香(スノーボード)

7月6日(金) 22:00~22:24

2014年ソチ五輪のパラレル大回転で銀メダルを獲得し、日本女子スノーボード界初のメダリストになった竹内智香選手。今年の平昌五輪は怪我を乗り越えて出場し、5位入賞。現在34歳。引退か、現役続行か。周囲がその進退に注目する中、彼女は何を思い、どんな毎日を過ごしているのか。

第11回:岩崎恭子(水泳)

7月13日(金) 22:00~22:24

14歳の時にバルセロナ五輪の競泳200m平泳ぎで金メダルを獲得した岩崎恭子さん。「今まで生きてきた中で一番幸せです」という言葉と共に世間の注目を集めた後、苦悩の日々を過ごしました。その当時のエピソードを自身で振り返りつつ、今年で40歳を迎える彼女の今に迫ります。

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