Number ExBACK NUMBER
スキー&スノボで金、日本人選手も。
今後の五輪は“二刀流”がトレンド?
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2018/03/03 17:00
スキーアルペンではノーマークの状態から0.01秒差で金メダルを獲得したレデツカ。茫然の表情だった。
エアリアル田原は体操からの転向組。
日本勢で言えば、フリースタイルスキーのエアリアルに出場した田原直哉も体操でナショナルチーム入りを果たした経歴を持つ選手だ。
また、ショートトラックとスピードスケートも、転向組が珍しくない競技だ。日本でもショートトラックに出場した神長汐音は今後、スピードスケートでの五輪出場も視野に入れているという。
スノーボード・ハーフパイプで名勝負を演じたショーン・ホワイトは「(2022年の北京五輪まで)準備が2年間、短くなるので難しい決断」と前置きした上で、2020年東京五輪にスケートボードで出場することも視野に入れている。
ホワイトと競った平野歩夢も同様に、「可能性があれば、ということで考えたい」と、スケートボードでの出場の可能性に言及している。
それぞれ考え方の違いこそあれ、競技をまたがる、もしくは、これからまたがろうとしている選手たちが目立つ大会であった。
欧米は複数競技に打ち込む選手が多い。
もともとヨーロッパやアメリカでは、複数の競技をやっている選手は少なくない。子供のときに限らず、成人してもある程度、そうやって2つの種目に取り組み続ける選手たちはいる。
例えばメジャーリーグで活躍したスーパースター、ランディ・ジョンソンは、大学生の途中まで野球とバスケットボールを両立していた。サッカー女子アメリカ代表のエースだったアビー・ワンバックは高校生の頃まではバスケットボールでも活躍し、こちらでも将来を期待される選手だった。
そうした複数競技に取り組むことが珍しくない環境がしっかりあるからこそ、レデツカのような選手が現れるのである。