ドイツサッカーの裏の裏……って表だ!BACK NUMBER
GKの“オーラ”って一体何なのか。
サイズとも技術とも違うその正体。
text by
遠藤孝輔Kosuke Endo
photograph byAFLO
posted2017/07/31 11:30
ノイアーを見ていると、ミドルレンジ以上のシュートが入る気がしない。その「気がしない」という部分がオーラなのだろう。
Jリーグに韓国人GKが増えるなど、日本は人材難。
ピッチ外でのアドバイスにも余念がない田口氏が手塩にかけて育てたのが、前述したケルンの守護神ホルンだ。13歳の時からトップチームに上がるまで指導した愛弟子で、近い将来のドイツ代表入りが有力視されている。
「ティモ(ホルン)もデビュー当初は細くて、若くて、今ほどのオーラはありませんでした。実績を重ねることで、段々と雰囲気が出てきましたね。ただ、同世代の選手と比べると、はっきりとした違いがありました。会話している時に13歳ながら落ち着きがありましたし、子供っぽさがなかったんです。集中力がありました」
そのホルンがドイツ代表の扉を開くうえで、乗り越えなければならない選手の1人がレバークーゼンのベルント・レノだ。ノイアー、マルク・アンドレ・テア・シュテゲンに次ぐ序列の彼を上回る評価を得ないかぎり、A代表入りを果たすのは難しい。そのチャンスのほどは―-。田口氏は言う。
「贔屓するわけではありませんが、レノにそこまでのオーラは感じません。ミスの頻度もライバルと比べると高いですし、威圧的な雰囲気も醸し出していません。ティモに(招集の)声がかかる日は来るはずです」
現在の日本には、残念ながら世界のトップクラブで活躍しているGKは存在しない。むしろ、Jリーグのクラブに韓国人GKが増えるなど人材不足に陥っている印象だ。技術面もさることながら、サイズや言語の問題がクローズアップされがちだが、オーラという要素にももっと焦点を合わせてもいいのではないか。