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最後のタイトルから12年が経ち……。
東京ヴェルディ、3つの「P」で復活。 

text by

海江田哲朗

海江田哲朗Tetsuro Kaieda

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posted2017/04/13 11:10

最後のタイトルから12年が経ち……。東京ヴェルディ、3つの「P」で復活。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

高木兄弟などユース育ちの選手に補強組が早くもフィットし、東京ヴェルディは久しぶりにJ1昇格を争う体制が整った。

ロティーナ監督の3つの「P」とは。

 守備組織の構築に定評のあるロティーナ監督は右腕のイバンコーチとともに、基礎からトレーニングをスタート。ボールとの関係性における適切な身体の向き、パスを引き出す角度のつくり方、ボールを置く場所、視線を向けるポイント、指導は精緻な部分にわたり、選手たちは口々に「こんなに規律の細かい監督は初めてだ」と面食らった様子で話した。

「私がしたいのは、ボールを大事にして、ゲームを支配するサッカーです。相手にボールを持たれていても、ゲームを支配できる状況をつくる。ポジション・ポゼッション・プログレッション(前進)。この3つのPを重要視し、チームづくりを進めていきます」

 そうロティーナ監督は方向性を語り、まずは守備面からチームの輪郭を整えていった。

ヒットした補強と、井上潮音というホープ。

 これらの哲学、文化は、東京Vの対岸にあったものである。融合に至るまでの摩擦は避けられず、結果が出るまで時間を要するだろうと思われたが、その目算はものの見事に外れた。

 東京Vは開幕戦こそ徳島ヴォルティスに敗れたが、そこから5連勝で一躍首位に。それもすべてクリーンシートを並べ、急ごしらえの堅守の看板を掲げるようになる。

 センターラインを中心に行った補強も的確にヒットした。元日本代表の永田充、橋本英郎、センターハーフとして攻守に貢献できる内田達也、機動力に長ける梶川諒太ら新戦力がチームに貢献。彼らのプロフェッショナルが注入され、既存選手の能力が引き出される効果も見られた。現在はけがで戦線を離れているが、井上潮音という10代のホープもいる。

 チーム編成を主導した竹本一彦ゼネラルマネージャーは「このチームの長所は修正力。試合を重ねるごとに課題をクリアし、力をつけていくサイクルを生み出せる」と自信を見せる。

【次ページ】 「僕たちが勝てば、チームに根づくスタイルになる」

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