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F1日本GPでの見どころ一挙紹介!
メルセデス頂上対決とホンダの正念場。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byGetty Images
posted2016/10/06 11:00
前戦マレーシアGPでの予選風景。左からロズベルグ、ハミルトン、フェルスタッペン。2年前の鈴鹿では、ハミルトンが優勝、ロズベルグが2位だった。
レッドブルとフェラーリの巻き返しに注目!
このメルセデスAMGに続くであろうレッドブルとフェラーリの戦いも目が離せない。
前戦マレーシアGPで優勝したのはレッドブルのダニエル・リカルド。レッドブルのマシンは、パワーユニットを除く車体性能ではメルセデスAMGに匹敵すると言われている。マレーシアGPでのハミルトンのトラブルも、レッドブル勢が激しく追っていたことが遠因となっていたかもしれない。
そのレッドブルには、今年のスペインGPで史上最年少優勝を遂げたF1界のホープ、マックス・フェルスタッペンもいる。鈴鹿はフェルスタッペンにとって、リザーブドライバーとして初のグランプリ走行を果たした地。その思い出の場所で、どんな走りを披露するのか楽しみだ。
フェラーリには、2人の鈴鹿ウィナーがいる。
セバスチャン・ベッテルは現役最多賞となる4勝を挙げており、メルセデスAMGがシーズンを席巻したこの2年間も表彰台を獲得、鈴鹿を熟知している。マレーシアGPでの接触事故を問われ、日本GPでは3グリット降格のペナルティを受けるものの、2戦前のシンガポールGPでは最後尾からスタートして5位でフィニッシュ。
「鈴鹿は神が作ったコース」と言うベッテルの神がかった走りにも注目したい。
ソフトタイヤが投入される日本GPはライコネン有利!?
ベッテルのチームメートであるキミ・ライコネンも「優勝した2005年の日本GPはベストレースのひとつ」と言うほど、鈴鹿には特別の思いがある。
ライコネンの真骨頂は、タイヤに優しいドライビング。
今年の日本GPはこれまでのミディアムとハード以外にソフトも投入されるだけに、タイヤに厳しい条件になった場合はダークホース的な存在になるだろう。
そして、我らがホンダである。
鈴鹿は、日本で初めて造られた本格的なロードサーキットである。提案したのは、当時社長だった本田宗一郎の「クルマはレースをやらなくては良くならない」という思いだった。それ以来、鈴鹿はホンダだけでなく、日本のモータースポーツ界の聖地となった。'87年にF1を鈴鹿に誘致したのもホンダである。したがって、ホンダにとって、鈴鹿で開催される日本GPは21戦分の1グランプリ以上に重みのある戦いである。