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F1日本GPでの見どころ一挙紹介!
メルセデス頂上対決とホンダの正念場。
posted2016/10/06 11:00
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph by
Getty Images
10月7日から開幕する今年の日本GPは、随所に熱い戦いが繰り広げられそうだ。
まずメルセデスAMGのチームメート同士の王座を賭けた戦いだ。
メルセデスAMG勢によるタイトル争いは今年で3年連続となるが、過去2年と異なるのは形成が逆転していることだ。昨年までの2年間はルイス・ハミルトンがポイントリーダーとして日本GPを迎えていたが、今年はニコ・ロズベルグが首位で鈴鹿に乗り込んでくる。しかも、ロズベルグは夏休み明けの4戦中3勝を挙げ、8月と9月に未勝利だったハミルトンに比べると明らかに勢いがある。
そんなロズベルグにとって、唯一気がかりなのは、ポールポジションは獲得しているものの、いまだ鈴鹿では勝利していないということだ。
だが、ロズベルグは「僕が初めて日本へ行ったのは、カートのワールドカップに出た2000年のこと。カートコース同様、F1が行われる国際コースは世界でも屈指のチャレンジングなレイアウト。だから、鈴鹿ではドライバーもマシンも最高でなければ勝てないけど、僕たちにはそのパッケージがそろっている」と、自信を持って三度目の正直となる鈴鹿に臨む。
パワーユニットに原因不明の不調を抱えるハミルトン。
一方、追う立場となったハミルトン。
彼にはロズベルグとの戦いとは別の戦いにも向き合わなければならない。それは前戦マレーシアGPをパワーユニットのトラブルでリタイアしていることだ。
シーズン序盤にもパワーユニットの問題に悩まされたハミルトンは、8月のベルギーGPにグリッド降格ペナルティと引き換えに、3基のパワーユニットを使用するという戦略を採っていた。ところが、そのうちの1基がマレーシアGPで壊れた。メルセデスはまだ原因を明らかにしていないが、もしパーツに根本的な問題があった場合、ストックしてある残る2基にも同様の問題が起きる可能性がある。
しかし、ハミルトンの心は折れてはいない。
「可能性がある限り、僕はあらゆる手段で戦い続ける。パワーユニットの信頼性に疑問があって、フリー走行を制限しなければならないのなら、僕は走らなくたっていい。チェッカーフラッグを受けるためなら、なんでもやるよ」