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「妻が作るスシは大好物だが…」デンマーク出身なでしこジャパン新監督が来日後食べて感動「本物の寿司」を日本サッカーのDNAに例える理由

posted2025/05/03 11:03

 
「妻が作るスシは大好物だが…」デンマーク出身なでしこジャパン新監督が来日後食べて感動「本物の寿司」を日本サッカーのDNAに例える理由<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

なでしこジャパン初の外国籍監督となったニルス・ニールセン。グリーンランドにルーツを持つ指揮官が日本をお気に入りになった理由とは

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井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

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Yuki Suenaga

 なでしこジャパンのニルス・ニールセン監督に聞く、日本サッカーと文化について。「寿司」を通して見えるDNAとは。〈NumberWebインタビュー/全4回。第3回につづく〉

彼女たちの力を示してほしかった

「私は生理学の学位を持っていることもあって、当然、(シービリーブスカップでの)6日間で3試合を同じ選手だけで乗り切ることは、不可能だとわかっていました。選手に怪我をさせたくなかったし、新監督の初陣に選ばれた選手たちにチャンスを与え、彼女たちの力を示してほしかった。先ほども言ったように、練習の機会は本当に限られていましたから」

 なでしこジャパンのニルス・ニールセン監督は、2月に日本が5度目の挑戦で初優勝したシービリーブスカップでの選手起用について、そう振り返った。23選手のうち、控えGK大熊茜を除く22選手を起用しながら3戦3勝。テストだったとすれば、「全員がパスしたよ」と目を細め、次のように続けた。

「優勝を狙う上ではリスキーな采配と言えるかもしれませんが、私は心配していなかった。全員の能力を信じていましたから。それにメジャートロフィーを狙う上では、23人以上の選手たちに準備しておいてもらう必要があります。大会時に負傷者が出ることもあるので。だから今回のコロンビア戦(4月6日、1-1のドロー)のメンバーには、また新たに招集した選手が複数います」

ハセガワ、フジノ…マンCに加えたのは私です

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 彼が日本人選手を信頼していたのには、理由がある。マンチェスター・シティ・ウィメンズのフットボール・ディレクターを務めていた2023-24シーズン、チームにはすでに長谷川唯がいた。そして24年夏には、清水梨紗、藤野あおば、山下杏也加の獲得オペレーションの陣頭指揮を執ったのが、現代表監督だったわけだ。

「もちろん自分でお金を出したわけではないけど(笑)、彼女たちをシティに加えたのは私です」とニールセン監督はにこやかに答えた。

「シティ・ウィメンズの戦力補強を任される立場にあり、選手を探していたら、彼女たちが目に留まったのです。素晴らしい選手たちで、誰もがシティで重要な役割を担えるはずです。3人とも、シティのプレースタイルや雰囲気を気に入ってくれました。もっとも当時は、その後にこうして日本女子代表を率いることになるとは、思ってもみませんでしたけれども」

【次ページ】 ルーマニア人の妻が作るスシは大好物だが

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