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陸上日本女子初の4大会連続五輪へ。
限りなく代表に近い福士加代子。 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2016/02/04 10:40

陸上日本女子初の4大会連続五輪へ。限りなく代表に近い福士加代子。<Number Web> photograph by AFLO

大阪国際女子マラソンで自己ベストを記録、優勝を果たした福士。右は指導するワコールの永山忠幸監督。

飄々とした言動の一方、アテネでは涙も。

 トラックも含め、結果が出なかったレースのあとも、飄々と、と言おうか、おちゃらけたような発言やしぐさなどで明るくふるまうのが福士だ。だが、2004年のアテネ五輪のあとに実は涙を流したのをはじめ、人知れず、悔しさを露わにすることもあった。

 マラソンでもそうだ。表情や口調のせいでやわらぐが、言葉ではリベンジへの思いを強く語ってきた。2008年の初マラソンのあとからの取り組みを支えてきたのも、その執念あればこそだ。

 もともとマラソンへの適性は、高く評価されてきた。そのスピードゆえに期待されてきた。今なお、3000m、5000mでは日本歴代1位、ハーフマラソンでは日本だけでなくアジア歴代1位、10000mでも日本歴代2位であることは福士の能力の証明だ。

リオ代表決定なら陸上日本女子初の4大会連続出場に!

 レース後、「リオ決定だべ。金メダル狙います」と福士は思いを言葉にした。あらためてリオデジャネイロ五輪女子マラソンの代表選考を見れば、昨年の世界選手権日本勢最上位の7位入賞で選考基準により内定している伊藤舞を除き、残りは2枠。昨年11月のさいたま国際マラソン、大阪、3月に行なわれる名古屋ウィメンズマラソンの各大会日本人3位以内の選手の中で、

1.日本陸連設定記録(2時間22分30秒)を満たした選手(最大1名)

2.各選考大会での記録、順位、レース展開、タイム差、気象条件等を総合的に勘案し、本大会で活躍が期待されると評価された選手

 この2つの基準に沿って選ばれる。このうち1の項が優先される。

 有力選手や将来を期待される若手が数多く出場を予定している名古屋の結果にも左右されるが、大阪での成績は、福士を限りなく代表へと近づけたと言える。

 リオの代表に決まれば、陸上では日本女子初の4大会連続でのオリンピック出場となる。

 これまでの3度、アテネ、北京、ロンドンはトラック種目で出ている。2002年の日本選手権5000、10000mで初優勝してから、ときにトラックの女王である福士の牙城を揺るがすような選手も現れた。しかしそれも長くは続かず、気づけば、常に福士が第一人者としてトラックにいた。

 やがて軸足を移し、時間をかけて、マラソンでも日本を代表する、いや、ここ数年の成績が示すように世界でも戦えるランナーとなった。

 その足取りも、福士の勲章である。

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