野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
首位の夢、目覚めてみれば、最下位。
DeNAベイスターズ、'15年の大反省会。
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byNanae Suzuki
posted2016/01/05 10:40
侍ジャパンでもDeNAでも4番でプレーした筒香。打率.317、24本塁打、93打点という堂々たる成績なのだが……。
不安定かつ隙だらけだったセンターライン。
一方、1年間安定しなかったのがキャッチャーを中心とするセンターラインだ。春先の調子のいい時は、「日替わりセンターラインだ!」なんて、さもありげな感じで言っていたが、そんなんが勝てるわけもなく。
セカンドは7月に石川雄洋が故障離脱するや、暫定で本職ではない宮崎敏郎がプープー一生懸命追いかけたがセンター前にボールが抜けていく厳しい場面も目立った。ショートも本命の白崎浩之が6本塁打9打点得点圏打率.088と偉大なる古木超え(22本37打点)を果たす勝負弱さを発揮したにも関わらず、山崎憲晴、飛雄馬、ルーキーの倉本寿彦らは黙して語らずレギュラーを奪うことができない。
センターも関根大気、桑原将志、乙坂智、松本啓二朗、下園辰哉らが名を連ねたが、定着には至らず。9月に荒波翔が復帰するや何事もなかったかのようにレギュラーに定着し、格の違いを見せつけられた。
捕手トリオの“3本の矢”もポッキリ折れた。
そして今季、最大の問題点。嶺井、髙城、黒羽根のトロイカ体制で臨んだキャッチャーは、3人で合計68暴投で「3本の矢でも折れるものは折れる」と、毛利元就公を真っ向から否定するプロ野球ワーストタイ記録を樹立。中畑監督も最後の方は「嶺井と心中」と心中3部作を演出するも、9月29日甲子園。9回裏振り逃げ→バント処理エラー→パスボールでサヨナラ負け。試合後、4年間「何があろうが諦めない」と言ってきた中畑自ら「ギブアップ」し、本当に逝かせてしまった。
'15年、代償は十二分に支払った。ラミレス新監督は'16年のキャッチャーをレギュラー1人に固定するとハッキリ宣言している。春のキャンプからは新人戸柱を含めた4人で生き残りを掛けた戦いがはじまるという。ここが変わるかどうかが、ベイスターズの浮沈の鍵といえそうだ。
そして、ペナントとは直接関係ないが、このオフに行われている横浜スタジアムの友好的TOBにより、'16年からハマスタは球団との一体経営がなされ、'15年以上に様々な仕掛けが起こりそうだ。現在決まっているものだけでも、朝方に市民がキャッチボールできるように、グラウンドを開放するのだとか。
チームも環境も、年を追うごとに、どんどんよくなっている感じがするが、一方でそろそろ本当に結果を出さないと、飽きやすいのがハマッ子でもある。'16年は最低でもCSに出たい。いや出なければならない。