野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
首位の夢、目覚めてみれば、最下位。
DeNAベイスターズ、'15年の大反省会。
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byNanae Suzuki
posted2016/01/05 10:40
侍ジャパンでもDeNAでも4番でプレーした筒香。打率.317、24本塁打、93打点という堂々たる成績なのだが……。
グリエルの来日拒否が生んだ“横浜の至宝”。
あと打撃陣では、キューバの至宝・グリエルが来なかったことが痛かったかといえばちっとも痛くない。グリエルが来日しなかったことで、今季はポジションさえ確約されていなかった横浜の石川雄洋が途中まで1番打者というか“横浜の至宝”として機能。「石川が第一打席に出塁した試合は負けない」という“石川くじ”なるジンクスまでが生まれ、快進撃を支えた。あと、忘れちゃいけないのがロペスとバルディリスの両外国人。梶・筒の調子が悪いとリカバリーしてくれる最高の助っ人的役割を果たしてくれたのではないかと思っている。
'15年もハマの番長がエースの座を譲られる。
続いて懸念の投手陣。
'14年、投手月間MVPを6カ月中4回も受賞したDeNA投手陣。'15年の開幕ローテーションは久保、山口、井納、三嶋、モスコーソ、高崎の6枚でスタート。長いあいだ、“ひとりぼっちのローテーション”を守り続けた三浦大輔が開幕2軍という事態に戦慄が走るも、番長は「やっと自分が描いたようなチーム状況になってきた」と目を細めつつ、それでも「自分が必要とされる時は来る」と内なる刃を磨いた。
案の定、シーズンがはじまれば「沢村賞」を狙った山口が行方不明。三嶋は4月30日の広島戦で最高のピッチングを見せるも交流戦の頃には燃え尽き、モスコーソもいつの間にか中継ぎ降格になっていた。高崎は高崎で、番長の出番はすぐに回ってくる。5月5日こどもの日。6回3失点で初勝利。で、その後無傷の3連勝。気が付けば“エース”の看板はやっぱり三浦大輔がガッチリキープするという元の木阿弥。'16年は球界最年長となる。2ケタ勝って、その先へつなげたい。
“小さな大魔神”山崎康晃が守護神に君臨!
一方、リリーフ陣ではやはりこの人、ルーキー山崎康晃。昨年も新人ながらストッパーをつとめた三上朋也が故障のため、ストッパーが2年連続ルーキーというダメな会社を地で行くチーム事情。しかも抜擢されたのが開幕直前のセ・リーグファンミーティングでの壇上でのやり取りで決まるという、凄まじい行き当たりばったり感だが、これに山崎康晃は見事に答える。
本拠地開幕戦の広島戦でプロ初セーブを上げると、お立ち台で「小さな大魔神になります」とこっちが心配になってしまうほどの豪胆すぎる発言。しかし、ツーシームと称する魔球を駆使し、セ・リーグのバッターをばったばったとなぎ倒す様に中畑監督もベタ惚れ。ついには投手陣の方で「山崎康晃と心中」すると、ヤスアキ心中システムを敷いた。