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ブラジル、PK戦でチリを下し8強へ!
「対極」の戦術が生んだ極上の死闘。
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![細江克弥](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/1/6/-/img_160de5d524926d0e588d34dc8f6d54807610.jpg)
細江克弥Katsuya Hosoe
photograph byGetty Images
posted2014/06/29 12:30
![ブラジル、PK戦でチリを下し8強へ!「対極」の戦術が生んだ極上の死闘。<Number Web> photograph by Getty Images](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/5/700/img_65eb50e067bba84d28687166202fe7fa210320.jpg)
自らが5人目のキッカーとなったPK戦でチリとの死闘に勝利をおさめ、ネイマールは安堵の涙を流した。満場の王国の民のサポートは、激烈なプレッシャーともなりうるのだ。
“総力戦”のブラジルは強い。
ただし、今大会のブラジルには特別な力がある。
チームの弱点と懸念されたGKジュリオ・セザルがPKを2本ストップする活躍でヒーローになったこと、エスコートキッズまでもがまるで叫ぶように歌う国歌斉唱、さらにあくまで慎重な姿勢を崩さない指揮官と、涙もろいが力強くチームを牽引するエース・ネイマールの存在。やはり“総力戦”になれば、ブラジルは強い。
チリは間違いなく、最先端にして最高のチームだった。しかしブラジルは、総力戦でそのチリに勝ったのだから。
それから、120分間のフルインテンシティ・ゲームを最高に面白く見せた、ハワード・ウェブ主審の見事なジャッジにも触れておきたい。試合開始直後に激しいタックルで相手を倒したルイス・グスタボに黄色いカードを出さなかったこと、その素晴らしい判断が、「フルインテンシティ」のこのゲームの面白さを最大限に引き上げたことは間違いない。
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