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FA入団の大物はどう扱うべきか?
~福留孝介の処遇を考える~
posted2014/06/11 11:30
text by
岡田彰布Akinobu Okada
photograph by
Sports Graphic Number
最新号が配信されました。6月10日配信号の内容を一部ご紹介します。
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今週の目次
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【1】 鳴り物入りで入団した大物は不振でも使い続けるべきか。
~福留孝介の処遇を考える~
【2】 日本球界で成功する外国人選手の条件とは。
~阪神はなぜゴメスを獲得したのか~
【3】 読者の質問に「そら、答えるよ」。
~岡田彰布のズバリ回答~
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【1】 鳴り物入りで入団した大物は不振でも使い続けるべきか。
~福留孝介の処遇を考える~
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ベテラン選手──ことさらFA移籍やメジャー帰りの大物は、成績が悪ければ本人が批判されるのは当然だとしても、その起用方法をめぐって首脳陣までもが糾弾されることもしばしばだ。今年の阪神を見渡すと──福留孝介に虎党の不満が集中している。
中日からカブス、インディアンス、ホワイトソックスとメジャー球団を渡り歩き、2013年に複数球団による争奪戦の末に3年の複数年契約を提示した阪神に入団した。ファンの期待は大きかった。
だが、2013年シーズンはケガの影響で63試合の出場に留まり、打率.198、出塁率.295と「打率3割、出塁率4割」というシーズン前に自身が掲げた公約を大きく裏切る結果に終わった。今シーズンも開幕3戦目に西岡剛と守備交錯した際に胸部を打撲した影響などもあってか、打撃の調子は上がらず、6月9日時点での打率は.188と湿りがちだ。
もし阪神に福留がいなかったら──福留の獲得に沸き立ったファンも、今ではこんなことを思っているかもしれない。調子の上がらないベテラン選手を、監督はどこまで我慢して起用すべきなのだろうか?
メルマガ配信当日の6月10日、福留孝介が登録抹消されるというニュースが飛び込んできた。6月に入ってからも出場は7日のオリックス戦だけで、結果は3打数無安打。登録抹消も致し方のない成績ではあるが……。そのことも踏まえて、ご一読ください。
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──読者から福留選手に関する、こんな質問が届いています。
20代の阪神ファンです。今の福留選手を見ていて、何故首脳陣が福留選手にこだわるのか分かりません。走塁や守備での貢献度を評価する声も聞こえますが、打率は2割を切ってますし、チャンスでことごとく凡退しています。それなら若手を使う機会にして欲しいと思うのですが、監督の立場だと福留選手を使いたくなるのでしょうか? また、岡田さんが監督なら福留選手を使いますか?
(生涯虎党さん)
岡田:オレがオリックスの監督をやっていたときに、「福留を獲得したらどうか」ってフロントから打診があったんよ。
──え、そうだったんですか!?
岡田:「オリックスに福留は必要ない」と、オレは断ったよ。
外野手の戦力は足りていたから、あえて福留を獲る必要はないと判断したんよ。将来を見据えて、若い選手を育てないとアカンというのもあったしな。
──報道によると、最後まで福留の獲得を争っていたのはDeNAと阪神の2球団。2年契約を提示したDeNAを上回る、3年契約を阪神が提示したことが決め手になったとも言われていますね。
岡田:外から選手を連れてきて戦力を補強をする際、少なくとも日本球界の場合は、現場を見ている監督に必ず相談があるもんよ。阪神の場合も、和田監督の了承を得てから獲得に乗り出しているのは間違いない。
でも、オレが阪神の監督だったとしたら、福留の獲得は見送っていたと思う。外野のポジションはひとつ空けておいて、若手に競わせるという判断をしていたやろうね。
阪神が福留獲得に至った経緯はオレにはわからん。せやけど、「岡田さんが監督なら福留選手を使いますか?」という問いには、「そもそも獲得していなかっただろう」と答えるしかないな(笑)。獲得していなければ、今のような苦しい事態にはなってなかったんやから。
──福留は1977年生まれ。契約最終年の来シーズンは38歳になります。
岡田:たしかに年齢という懸念材料もあったしなあ。
──過去の実績を考慮すれば、年齢はそれほど問題視されなかったんでしょうか? 福留のネームバリューをもってすれば、集客面でも期待できたわけですし……。
岡田:知名度がどうとか、過去の実績は判断材料にはならんよ。月日は流れるわけやし、過去は過去よ。あくまでも現時点での実力はどうか、そしてチームの弱点を補強できる人材か。そこで獲得の可否を判断をしないと、大変なことになる。
ただ、獲得を決めたのはフロントの独断というのはあり得んよ。さっきも言ったように、選手を獲得する際は必ず現場の判断を仰ぐんやから、フロントだけの判断で決めるということは100%ない。
だから福留を獲得したら、どう起用するか、どういうチーム編成にするかというヴィジョンは現場にもあったはずよ。
──いったいどのような構想を描いていたんでしょうか?