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圧倒的な“父”ディープインパクト。
2歳戦線、新種牡馬の台頭はあるか?
text by
片山良三Ryozo Katayama
photograph bySeiji Sakaguchi
posted2012/06/16 08:01
14戦12勝という輝かしい成績と数々の思い出を残し、2006年12月の有馬記念を最後に現役を引退。2007年から北海道、社台スタリオンステーションで種牡馬生活を送っているディープインパクト。今も、競走馬時代同様、圧倒的な存在感を示している。
「早くデビューできるということ自体が素質の高さ」
来年のクラシック戦線も、何頭かのディープインパクト産駒が当然のように主役に名を連ねることになるはずだろう。
2歳戦が始まったばかりのいまの時期は、まだ超大物の登場に至っていないが、最近は「早くデビューできるということ自体が素質の高さ」という考え方が浸透している。
角居勝彦調教師が、毎年のように阪神開催の初っ端の芝1600mの新馬戦を狙い撃ちで勝っていることでもそれがわかる。期待のディープ産駒の登場も、それほどお待たせせずに実現するに違いない。
今年はトーセンパワフル(牡、父ネオユニヴァース、母アコースティクス)が角居厩舎代表の大役をつとめて、見事な勝利で飾った。ご存じ、ダービー馬ロジユニヴァースの全弟で血統的には遅咲きのイメージだが、角居調教師は「ノーザンファームからこちらに来た時点で90%仕上がっていました。1番バッターはすぐに決まりました」と笑顔をのぞかせる。勝ったあとは予定通りのミニ放牧を挟んで、札幌2歳Sでの連勝を目論んでいるという。
超良血馬が“普通に出入りする”角居厩舎。
手際よくクラシックへの最初の階段を登ったトーセンパワフルが角居厩舎から一旦離れた直後のこと、3頭の新馬が入れ替わりで名門をくぐった。リジェネレーション(牡、父アグネスタキオン、母エアトゥーレ、兄に皐月賞馬キャプテントゥーレ)、タニノタキシード(牡、父タニノギムレット、母タニノシスター、姉は女傑ウオッカ)、バリローチェ(牝、父ディープインパクト、母ポトリザリス、姉兄にディアデラノビア、マゼラン、イグアス)という面々だ。
どの馬も、並みの厩舎ならこの世代の目玉と言えるぐらいの超良血。このクラスの馬たちが、普通に出入りする角居厩舎の凄さにも驚いてほしい。注目はディープ産駒のバリローチェだが、デビューは調教の進み方を見てからということになるそうだ。