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小林繁の死去に際して、
“謝罪する江川”に違和感アリ。 

text by

中村計

中村計Kei Nakamura

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photograph byChihiro Okubo

posted2010/01/27 10:30

小林繁の死去に際して、“謝罪する江川”に違和感アリ。<Number Web> photograph by Chihiro Okubo

入団拒否した江川氏も“投手の旬”を棒に振る代償を。

 巨人入りを熱望し続け、高校卒業時も、大学卒業時もドラフト指名を拒否したことが罪だったと言う人がいるかもしれない。しかし、それは個人の自由だ。そういう姿勢が好きではないという人はいるかもしれないが、かといって江川氏を責めるのは見当違いだ。

 指名を拒否するということは、選手も相応のリスクを背負っている。特に江川氏は、今でも言われるように、高校時代がいちばん球が速かったという。もし、高校卒業後にすんなりプロ野球界に入っていれば、200勝投手になっていたのではないだろうか。つまり、江川氏は入団拒否の代償として、スポーツ選手にとって、ある意味、どんなものにも代え難い自らの旬の時期を支払ったのだ。さらにいえば、あの事件をきっかけに生涯、剥がすことのできない「悪役」のレッテルを貼られてしまった。江川の通算成績が135勝で終わったことも、引退が早まったのも、そのあたりが起因しているような気がしてならない。償うということで言えば、それでもう十分なはずだ。

決断を下したのは各球団であって、江川氏の判断ではない。

 小林氏は対談の中で、当時のことについて、こうも語っている。

「他人につくられた問題だから、俺たちがつくった問題ではない」

 江川氏は、巨人入団の際、このような条件を出していたのだという。

「トレードという方法を使うのなら金銭トレードでお願いします。その条件だけのんでくれれば僕はOKです」

 それが真実かどうかを問うまでもなく、やはり江川氏に責任はない。どうであれ、最終的な判断を下したのは球団のトップなのだから。

 謝ることないじゃん――。

 他の誰よりも、天国で、小林氏がそういっているような気がしてならない。

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