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日本格闘技界の歴史的1ページ!?
K-1 MAXが試みた、ネット無料配信。 

text by

橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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photograph bySusumu Nagao

posted2011/07/01 10:30

日本格闘技界の歴史的1ページ!?K-1 MAXが試みた、ネット無料配信。<Number Web> photograph by Susumu Nagao

若手の成長ぶりが見えた今大会。久保優太(写真前列右から5人目)は「負ければ引退」という覚悟で臨み、見事優勝を果たした。谷川貞治イベントプロデューサー(写真前列右)は、今回のネット生中継を「新たな1歩」と、手応えを語っていた

メインは英語? 日本語? 不可解な実況と解説。

 実況は、世界配信を意識して英語で行なわれた。とはいえ日本のファンを無視するわけにもいかない。結果、中継では英語の実況に谷川貞治イベントプロデューサーの日本語解説が時おり混じり、それをさらに英訳するという混沌とした音声が流されることに。

 また、谷川プロデューサーは大会前、自らのツイッターアカウントを通じてネット配信の告知を熱心に行なっていた。それはいいのだが、各ツイートに共通の話題であることを示すハッシュタグ(#K-1など、検索してテーマごとに一覧表示することができるキーワード)がつけられていなかった。ツイッターを使ってはいたが使いこなすまでにはいたらず、最大限の効果を発揮したとは言い難い。

ネット中継への課題山積。再び問われる、K-1そのもののあり方。

 今回のネット中継では“テレビ番組”と“ネットコンテンツ”の違いが浮き彫りになったといえるだろう。

 振り返ってみれば、K-1 MAXは魔裟斗からスタートしたイベント。「格闘技なのに、こんなにかっこいい選手がいる」という打ち出しは、まさに“ザ・地上波”だった。いや、MAXに限らずK-1はボブ・サップや曙など“老若男女”の目を引く仕掛けで世間に認知されてきた側面がある。

 そんなK-1が運営スタイルを大きく変えないままネットによる世界配信に踏み出せば、不備や混乱、ファンの戸惑いがあって当然だ。今回の中継は、いかにも急ごしらえなものだった(そもそも、ネット中継が告知されたのは大会の8日前でしかなかった)。

 ネットユーザーを引き付けるのはどんな選手なのか。スポーツ新聞を中心とした告知は本当に有効なのか。テレビ中継が復活した時、どのように共存していくのか。

 ネット中継への本格参入は、K-1という“格闘技ソフト”そのものを見直す機会になるだろう。

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