Jリーグ観察記BACK NUMBER
ライバルチームのゴールに一喜一憂!?
Jのスタジアムにも欲しい速報掲示板。
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byAFLO
posted2011/05/22 08:01
試合中、出場選手と得点を映し出す電光掲示板。他会場の経過は基本的にハーフタイムにのみ伝えられる
クラブにとっても新たな収益源がうまれるメリットが。
クラブの財政面でも、メリットがある。
ブンデスリーガではスコアを知らせる前に、必ずスポンサー名を大画面に流している。「速報を流すたびに企業名を出す」という広告権を売り出して、収入を得ているのだ。たとえばビルト紙のロゴが大きく映し出される、というように。
ゴール裏から声援を送るサポーターの中には「試合に集中できない」という理由で、速報に反対する意見もあるだろう。選手にとっても、他会場のスコアが流れることで気持ちが乱され、プレーに影響が生じる可能性もある。
ただ、頭ごなしに否定するのではなく、Jリーグにこのエンターテイメント性を高めるやり方が合うかを、ぜひ1度試してほしいのだ。
JリーグはCLのファン重視のマーケティング手法を見習うべき。
本来ならば、各チームが個別に判断して行なうべきものだが、ここはJリーグの大東和美チェアマンが、あくまでテストとして、まずは一夜限りで、速報の実施を呼びかけてはどうだろうか。アンケートを行なってサポーターの評判が悪かったら、導入を見送ればいい。
UEFAチャンピオンズリーグを運営しているスポーツマーケティング会社『TEAM』は、大会がマンネリ化しないように、毎年のようにレギュレーションを見直している。チャンピオンズリーグが、チャンピオンズカップから名前が変わったのは1992年で、Jリーグがスタートする1年前のことだ。彼らは歴史性など気にせず、とにかくおもしろい大会にしようと全力で知恵を絞っている。後発のJリーグが変化を恐れていてはいけないだろう。
新しいことにチャレンジする姿勢は、きっとリーグを活性化するはずだ。