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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
「高校側と中学生の接触は禁止にしては…」高校野球の名門校監督が「規定違反で無期謹慎」の衝撃…過熱する青田買いにベテラン記者が考える“解決策”
posted2025/02/25 06:00

昨夏の西東京大会はベスト8まで進出していた早大学院野球部。名門校になにがあったのだろうか?
text by

安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
Sankei Shimbun
「早大学院野球部監督、中学生の練習参加規定違反などで無期謹慎処分」
1月下旬にあったこの報道には驚いた。
報道によれば、高野連の規定を認識していたにもかかわらず、手続きを経ずに中学生を練習に呼んでいたのだという。さらには規定で禁止されていることを知りながら、中学生への家庭訪問も長年にわたって行っていた。
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昨秋のドラフト会議で、早大学院OBの早稲田大・山縣秀内野手が日本ハムに5位指名され、66年ぶりのプロ入りと祝賀ムードの年の暮れだったが、そこから1カ月もたたないうちに、今度は真逆の残念なニュースとして再び「早大学院野球部」の文字が流れたから、余計にショックが大きかった。
私はその早大学院、つまり早稲田大学高等学院・野球部のOBである。無期謹慎……わかりやすく言い換えれば、実態は「追放」であろう。
中学生の“青田買い”を巡る事件は過去にも…
チームを強くしようと考えた指導者が、しかるべき申請と許可がないままに、有望な中学生を練習に参加させたり、ご家族にお願いをしに家庭訪問をするというルール違反は、高校球界にはこれまでも何度もあった。
そのたび数カ月や1年程度の謹慎というペナルティが科せられたが、それが今回、無期という「重罪」になったのは、それが何年にもわたって常態化していたのが、高野連の逆鱗に触れたからではないか。
つまり、ルールを「無視」していたと解釈されても仕方ない行為を長く続けていたことへの重いペナルティと考えれば、なるほど……と思える。
この報道に接しながら、ハッとしたことがある。
こういう仕事をしているから、高校野球関係者の方から、特定の中学チームの関係者を紹介してほしいと頼まれることがあった。最近でも、昨年の秋あたりから、何度か間に入ったことがある。