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高校野球の名門校監督が規定違反で無期謹慎…「有望な中学生を探すことにエネルギーを割かれて…」激化する“勧誘合戦”に疲弊する現場のホンネ

posted2025/02/25 06:01

 
高校野球の名門校監督が規定違反で無期謹慎…「有望な中学生を探すことにエネルギーを割かれて…」激化する“勧誘合戦”に疲弊する現場のホンネ<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

甲子園という舞台の人気が過熱する中、有望な中学生を巡る青田買いを防ぐにはどうすればよいのだろうか? ※写真はイメージ

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安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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Hideki Sugiyama

 今年1月、高校野球の名門である早大学院の野球部監督に無期謹慎処分が下った。中学生のリクルートに関する規定違反が理由とされる。なぜ、このような事態が起こってしまったのか。同校OBのベテラン野球記者が提言する解決策とは?《全2回の2回目/最初から読む》

 高校側からの有望な中学生選手のリクルート活動は、もちろん高野連の規定はあるといえど、現実的にはなかなか規制が難しい。ここに1つ「私案」を挙げてみたい。

中学生に高校野球関係者がプレゼン大会?

 都道府県単位の高野連が主催して、高校野球を志す中学生を大きなホールに集めて、高校野球関係者に「我がチーム」のプレゼンを行ってもらうのだ。それを中学-高校の限られた接触の場とする。

 時期は、中学3年夏の大会が終わったあたりの夏休みではどうか。

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 中学球児へのプレゼンを希望する高校チームは、興味を持つ都道府県の「プレゼン集会」へ出かけて行って、「おらがチーム」の有りようを伝える。

 たとえば、東京都高野連主催の「プレゼン集会」の会場に、北海道の高校の監督さんがやって来る。東北の高校からは野球部長がやって来る。名古屋からも、関西からもやって来るかもしれない。

 1日に10校でも20校でもよい。エントリーしたすべての高校野球部の関係者たちがプレゼンを行い、中学球児たちは、興味を持つ高校を選んでプレゼンを拝聴すればよい。すでに、志望校を心に決めている生徒さんは参加しなくてもよい。そのへんは、本人の「判断」である。

 説明者は誰なのか、グラウンドで実際に自分たちと接してくれる人なのか、それとも「スカウト」みたいな人なのか、プレゼン上手な「専門家」なのか。どんな言葉を持っている大人なのか、熱は伝わってくるのか。そんなところから、中学生たちの感性が働くはずだ。

【次ページ】 どうすれば中学生が能動的に進路を選べるか

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