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“無風”に見えるGKすら悩む…W杯26人予想決定版。9月未招集の板倉滉・大迫勇也・浅野拓磨は選出、迷った“上田&古橋選外”の理由は?
posted2022/10/31 17:09
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
Kiichi Matsumoto
森保一監督は運命の11月1日に、誰の名前を読み上げるのか――。
その予想をするだけでも延々と迷い、毎日のようにリストが変わるのだから、実際に選ぶ指揮官とコーチングスタッフの苦労は推して知るべし、である。
「(選手選考は)辛いですよ。できることならやりたくないです。嫌な仕事ですね」
森保監督は先日、オフトジャパン時代のチームメイトである福田正博さんとの対談でそうこぼしたが、偽らざる本音だろう。
代表メンバーが3人増員されるカタールW杯。メンバーが23人だった過去のW杯では、GKが3人、残りの20人のフィールドプレーヤーは各ポジションに2人を選ぶのがセオリーだった。
26人になった今回も考え方のベースは同じ。フィールドプレーヤーを4-2-3-1の各ポジションに2人ずつ選んだうえで、ボーナスとも言える3人を誰にするか――。
9月のドイツ遠征が本大会の事前合宿という位置付けであった以上、9月シリーズに参加した30人からW杯メンバーが選ばれるのが自然だろう。
だが、ワイルドカードとも言える3人は、9月シリーズで呼びたかったけれども呼べなかった選手という可能性も低くない――そう想像している。
では、さっそく予想していこう。
GK:ファーストチョイスは権田かシュミットか
GKは川島永嗣、権田修一、シュミット・ダニエルの3人が順当に選ばれるのではないだろうか。とはいえ、無風と思われるこのポジションでも大いに悩んだ。焦点は権田の扱いである。
森保監督が権田をファーストチョイスだと考えているなら、この3人で問題はない。
だが、197cmの高さとビルドアップに関われる足元の技術というシュミットの武器が世界と戦ううえで欠かせない、と考えているのだとしたら、話は変わってくる。
シュミットがファーストチョイスとなった場合、W杯アジア2次予選と最終予選でゴールを守り続けてきた権田の気持ちを想像すると、こちらも心穏やかではいられない。波立つ気持ちをスパッと切り替え、シュミットのサポートに回れるかどうか……。
第3GK:川島の経験値か、谷の将来性か
シュミットをメンタルの安定した状態でピッチに向かわせるには、第2GKとして川島、第3GKとして谷晃生というラインナップも考えられるのだ。未来を見据えて21歳の谷にW杯を経験させたいという思惑もある。
とはいえ、権田もプロフェッショナル。今はシュミットの台頭や清水エスパルスが残留争いに巻き込まれていること、腰の負傷などもあって多少ナーバスかもしれないが、もし第2GKになったとしてもシュミットをしっかりサポートするはずだと、森保監督も見込んでいるに違いない。もちろん、予選での権田のパフォーマンスは素晴らしいものだったから、ここに来て序列を崩すことはない気もする。