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〈W杯選出・落選の舞台ウラ〉カズを外した岡田武史「いい人だと言われたいです。でも」、大久保嘉人「最後のサプライズで…」

posted2022/11/01 17:25

 
〈W杯選出・落選の舞台ウラ〉カズを外した岡田武史「いい人だと言われたいです。でも」、大久保嘉人「最後のサプライズで…」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

それぞれブラジルW杯、南アフリカW杯で「サプライズ選出」された大久保嘉人と川口能活

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NumberWeb編集部

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Takuya Sugiyama

雑誌「Sports Graphic Number」と「NumberWeb」に掲載された記事のなかから、トップアスリートや指導者たちの「名言」や写真を紹介します。今回はW杯選出・落選にまつわる5つの言葉です(2回シリーズの1回目/現代表編も)。

<名言1>
自信はありますね。今は本当にある。だから最後のサプライズとして呼んでほしい。
(大久保嘉人/Number849号 2014年3月13日発売)

◇解説◇
 W杯を日本代表として戦う選手は誰になるのか。日本代表メンバー発表ではこれまで数々のサプライズが起きていた。2014年W杯の選出で大きく印象に残っているのは、大久保だろう。

 大久保は2013年に川崎フロンターレに加入すると、風間八宏監督の下で秘めていた得点感覚が一気に覚醒。中村憲剛とのホットラインも開通し、このシーズンに26ゴールをあげて得点王に輝いた。さらに2010年南アフリカW杯メンバーとしての経験値を踏まえて、アルベルト・ザッケローニ監督率いる日本代表にも待望論が起こっていた。ゴールという明確な結果を残していたからこそ、大久保は「自信はある」と確信をもって言葉にできたのだろう。

 ただ同じ国内組では、セレッソ大阪で活躍していた柿谷曜一朗が選出濃厚のムードにあった。その柿谷が憧れたアタッカーである大久保だが……「柿谷は本当にうまい。なんでもできる。でも、俺のほうがいい。アイツがおちょくってきたから、直接言ってやりました。『俺のほうが上だよ』って(笑)」と、このように冗談めかしていた。

 それでも代表入りを虎視眈々とねらっていたのは事実。結果として柿谷、大久保ともに代表23人のメンバーに名を連ねることになった。

第3GKを受け入れながらも川口は「戦いたい」

<名言2>
やっぱりね、身体は素直で。戦いたい、とうずくんですよ。
(川口能活/Number臨時増刊号 2010年6月29日発売)

◇解説◇
 フランス、日韓、ドイツ大会と日本が「W杯常連国」となるプロセスで、ゴールマウスを守ってきたのは楢崎正剛と川口だった。この2人のハイレベルな正守護神争いによって、日本のサッカーファンがGKというポジションを深く知ることになったのはご存じの通りだ。

 そんな川口だが、2010年南アフリカ大会前に負傷がありながらも岡田武史監督は選出を決断した。しかし求められた役割は第3GK、そしてチームのサポート役だった。精神的なリーダーという立場に葛藤はあったが、失点に落ち込む正GKの川島永嗣に寄り添い続け、日本代表の躍進に一役買った。

【次ページ】 日韓W杯、中村俊輔とトルシエと「左サイド」

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